「アクセス廃業」の衝撃、JALの思惑、そしてめざす姿とは
旅行会社の負担軽減に意欲
NDC対応も「可及的速やかに」
日本航空(JL)がアクセス国際ネットワークの廃業を発表し、旅行業界に激震をもたらしてから約2ヶ月。もとはといえば今年3月にトラベルポートとの統合計画を発表していたところが、一転してアマデウスを推奨GDSに指名するという振れ幅の大きさも関心を集めている。アクセスの運命を左右した決断の背景やアマデウスへの期待について、JL販売統括本部で企画部長を務める佐々木政茂氏に聞いた。
-まずは廃業を決められた経緯をお聞かせください
佐々木政茂氏(以下敬称略) アクセス国際ネットワークのビジネス環境を考えると2つの大きな問題があった。ひとつは、社会がグローバル化し旅客のグローバルなニーズも高まっているなかで、ローカルGDSとしての対応には限界があったことだ。例えばコンカーとの交渉において、ローカルGDSではコンカーとの接続を実現できなかったことが象徴的だ。
もう一つは投資力。OTAへの対応やNDC対応などはいずれも高い技術力と投資力が必要で、ローカルGDSでありJLの子会社であるアクセスのままでは競争のスタートラインに立つことは難しい面があった。
そこでグローバルGDSとの提携を模索し、トラベルポートとの提携こそがマーケットにとってもJLにとっても良い選択だと考え合弁会社の設立をめざしたが、細部の交渉で調整がつかず最終的な合意に至らなかった。そこで方針を転換し、アマデウスとの話し合いを経て連係強化を発表した。
-トラベルポートとの合弁会社設立はアクセスを残す前提でしたが、アマデウスとの合弁会社という発想はなかったのでしょうか
佐々木 両社との交渉について詳細は明かせず両社を比較することもできないが、トラベルポートとの関係においては、アクセスがトラベルポートのホストを使用している前提があった。