ドイツ、地方や小さな街への送客に意欲、旅行会社に期待
ドイツ観光局はこのほど、業界関係者を招き「クリスマス懇話会」を開催した。冒頭でアジア・オーストラリア地区統括局長の西山晃氏は、現在の日本マーケットの状況について説明。2018年は120万泊で全市場におけるシェアは1.4%となっており、欧州外では米国、中国などに次ぎ4位であったことを報告した。19年については、9月末までの累計が前年比0.1%増とほぼ横ばいながらも「中国などアジアの成長マーケットにブレーキがかかりマイナスとなっているなか、辛うじてプラスに推移している」と伝えた。
また、主要旅行会社が募集型企画旅行で宿泊に利用している都市についても説明し、19年は上期・下期ともにロマンチック街道の代表的な宿泊地であるローテンブルクが1位となったことを報告。「ロマンチック街道がいかに多く商品化されていることがわかる」と述べた。一方、日本国内のメタサーチ5社から集計した、ドイツ行き航空券とホテルのみのツアーにおいては、ミュンヘンやフランクフルトなどの人気が高く、ローテンブルクは4位だったという。
西山氏によれば、現在の日本人の宿泊数においてリアルエージェントの占める割合は35%で、OTAなどそれ以外は65%。西山氏は「宿泊数や送客数だけを見れば、観光局はOTAなどインターネットに注力していけばいいが、ネットでの予約はコンサルティングが必要ない大都市の宿泊が多い。ドイツは大都市だけ送客すればいいという考えではない」と語り、地方や小さな街、ニッチな観光地などへの送客についても強化する考えを示した。リアルエージェントに対しては、パッケージ商品を作るこが「FITが行きにくい小さな街などに行くきっかけとなる」と語り、引き続き商品造成による協力を呼びかけた。
そのほか、来年についてはすでに発表しているイヤーテーマの「ベートーヴェン生誕250周年」に加えて、バイエルン州のオーバーアマガウで10年に1度しか鑑賞できないキリスト受難劇が4月から11月まで上演されることを説明。また、ドイツ統一30周年を記念し、各地でイベントが開催されることも紹介した。
ルフトハンザグループは、3月1日からスイスインターナショナルエアラインズ(LX)が関空/チューリッヒ線を運航することや、オーストリア航空(OS)が当初の予定から2週間ほど早く、3月14日に成田/ウィーン線を再開することをアピール。レイルヨーロッパは、ヨーロッパ25都市へアクセス可能なジャーマンレイルパスや、旅行会社にコミッションを提供する新たなB2B販売サイトの開設について説明した。