UA、シカゴで初の「FLIGHT PLAN」、全世界に戦略アピール
路線網に最新機材、乗継支援からCO2削減まで
ムニョス氏「顧客と我々の未来に投資」
ユナイテッド航空(UA)は10月24日と25日の2日間、本社を置くシカゴでメディア向けの事業説明会「FLIGHT PLAN 2020」を開催した。世界各国のジャーナリストに現在の戦略や取り組みをアピールすることがねらいで、同社によれば初めての試み。米国から約60名、アジアと欧州からそれぞれ約15名、中南米から約10名、合計で約100名のジャーナリストが参加した。
目玉は25日の、合計で4時間半にわたるプレゼンテーションで、CEOのオスカー・ムニョス氏をはじめとする10名以上の経営陣が登壇。ネットワークの拡大やプロダクトの刷新、デジタル技術の導入、オペレーション、マイレージサービス、自然環境への配慮、人材育成など、多岐にわたるテーマで同社の現況や今後の展望について説明した。ムニョス氏は「UAの新たなスピリット」と題したプレゼンテーションにおいて、「我々が勝つ時は、顧客も勝つ時」と述べ、改めて顧客重視の姿勢を強調するとともに、2020年以降については「顧客と我々の未来に投資し、人々がUAに対してどのように感じるかを変えていきたい」と意気込みを示した。
続いて登壇した社長のスコット・カービー氏は「サステナビリティのための革命をリードする」と宣言し、同社が推進するプログラム「eco-skies」における二酸化炭素排出量削減の取り組みに、新たに4000万米ドル(約43億5000万円)を投じることを発表。UAは2016年に、定期便におけるバイオ燃料の使用を開始している。
オペレーションについては、代表取締役副社長でチーフ・オペレーション・オフィサーを務めるグレッグ・ハート氏が、今年に入り導入した「コネクションセーバー」をアピール。乗換時間の短い利用者のフライトを⾃動的に抽出し、他の乗客に迷惑をかけずに次のフライトが待機可能かなどを判断するツールで、希望する利用者には次の便のゲートまでのアクセスや所要時間などを案内する。これにより過去7ヶ月間に、約6万⼈以上が次の便に遅れることなく乗り継ぐことができたという。
デジタル技術に関しては、代表取締役副社長でチーフ・デジタル・オフィサーのリンダ・ジョジョ氏が、UAのモバイルアプリが利用者から高い評価を得ていることをアピール。あわせて、ウェブサイト上での座席指定の際に利用者が参考にすることができる、機内の3D画像の提供を開始することを紹介した。そのほか「屋内GPSネットワーク」により、シカゴ・オヘア国際空港で利用者を出発ゲートなどにスムーズに導くサービスを予定していることも明らかにした。
ロイヤリティ担当副社長でマイレージ会員サービス「マイレージプラス」の代表を務めるリュック・ボンダー氏は、このほどマイレージポイントの使用期限を撤廃したことを紹介。そのほか割引キャンペーンなどにより、「Z世代」に当たる18歳から22歳までの若者の取り込みに注力していることも伝えた。