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週間ランキング、1位は新約款、ジェットスターの戦略が2位

[総評] 今週は、いつもと比べアクセスが振るいませんでした。ものすごく大きなニュースが飛び込んできて数字が跳ね上がるようなこともありますのでなんともいえませんが、広告を掲載いただいているクライアントの皆様のためにも、そして読者の皆様のためにももっと頑張らなければならないと思っています。

 さて、そんな週で1位となったのは、全日空(NH)と日本航空(JL)が国内線で導入予定の「ダイナミックプライシング」について、それに対応した個別認可約款の雛形が日本旅行業協会(JATA)と全国旅行業協会(ANTA)によって作成されたことをお伝えした記事でした。硬い話題はいまいち読んでいただけないことが多く今回もそうなるかと思っていましたが、蓋を開けてみれば旅行業界誌らしい結果となりました。

 ダイナミックプライシングへの移行は、これだけテクノロジーが世の中を変えている現代においては当然でしょう。約款だけでなくパンフレットのあり方や販売の手法も変わってくるでしょうし、旅行会社としてはなるべく早く適応していくしかありません。気になるのは国際線ですが、時代の流れという意味では同じ方向に進むのが自然と感じます。そうなれば燃油サーチャージは存在するための根拠がなくなりますので、その点では良い変化となるかもしれません。

 次いで2位は、ジェットスター・ジャパン(GK)の事業戦略説明会の様子をお伝えした記事でした。目覚ましい発表があったわけではなく、他の多くのメディアも集まったなかでの記事掲載ですが、中距離路線にも就航可能な機材を導入していくということで、日本航空(JL)のジップエアとの競合は気になるところです。

 ジェットスターグループは、オーストラリアのジェットスター航空(JQ)から始まって、ジェットスターアジア航空(3K)、ジェットスターパシフィック航空(BL)、GKなど各国に法人を設立しつつ全体では「ジェットスター」のブランドでネットワークを展開するという、エアアジアグループと似通った戦略で成長してきました。

 そうしたなかでBLは先月末で日本事務所を閉鎖し、一方でGKは拡大基調ということでコントラストを感じるところですが、これがグループ内の最適化の結果なのか、それとも個別の会社ごとに判断した結果なのか気になります。ちなみに同グループではジェットスター香港も立ち上げようとして失敗に終わった過去もあり、歴史が繰り返すとすれば、今後はピーチ台湾やジップエア・ベトナムなどが設立されたり頓挫したりするのかもしれません。

 そういえば、今回の記事については海外の航空・旅行系専門メディアであるThe Blue Swan Dailyに参照されました。我々も勉強させてもらっているサイトですし構わないのですが、実は以前に別の記事についてトラベルビジョンでお伝えした内容とはまったく逆の書き方で取り上げられたことがあり、訂正の依頼をしても何の反応もなく非常に不愉快に思ったことがあります。

 皆様もご存知の通りトラベルビジョンの記事でも色々と間違うことは多く、各所から指摘をいただき冷や汗をかきながら訂正を繰り返しているのですが、逆にいえばそうしたご指摘は我々にとってはありがたい存在であり無視するなどあり得ません。日本語のトラベルビジョン記事を抜粋して英語化される方がいるのであれば当欄も読んでいらっしゃるのかもしれませんが、お考えをお聞きしたいものです。

 なお、今週は月曜日の朝に関東地方で台風が猛威を振るい、特に千葉県では未だにその影響が残ってしまっています。私は戸建住宅の2階の一部分を借りるかたちで暮らしていますが、確かに当夜は誇張ではなく何度も家が揺れて目が覚めました。千葉県にお住まいの読者の皆様も多く、また個人的にも父が上総一ノ宮あたりの出身で思い入れが強く、一刻も早い生活の復旧を願っております。

 また、折しも今週水曜日は9月11日でした。テロと天災を一緒に扱うのは誤りかもしれませんが、大切な気付きや感覚も時間の経過とともについ忘れがちな人間の1人として、東日本大震災をはじめとする各地の地震や豪雨などの被害に思いをいたし、今回の一夜もその恐ろしさを焼き付けつつ何事もなく過ごせることのありがたさを噛みしめていきたいと思います。(松本)

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