再就航から1年、フィジー・エアの現在は-日本代表の村上氏に聞く
年間搭乗率80%以上、週3便の通年化を目標に
フィジーの知名度向上、他のリゾート地との差別化がカギ
フィジー・エアウェイズ(FJ)は昨年7月に週3便の成田/ナンディ線を開設し、約9年ぶりに日本再就航を果たした。これにより、昨年にフィジーを訪れた日本人旅行者の数は前年比156%増の1万1903人へと急増し、今年も5月までの累計は41%増と好調が伝えられているが、再就航から1周年を迎えた現在、日本路線はどのような状況にあるのか。また、今後の増便などに向けた展望は。オーストリア航空(OS)で日本・韓国支社長などを務めた経験を持つ、日本地区代表の村上昌雄氏に話を聞いた。
村上昌雄氏(以下敬称略) かつてはエア・パシフィック航空時代の1998年から2009年にかけて日本路線を運航していたが、08年のリーマンショックの余波で運休を余儀なくされた。その後は13年に現社名へと変更し、17年に入ってから再び、路線拡大に向けて舵を切った。
現在のFJはモダンな経営スタイルに変わり、中長距離の国際線とフィジー・リンクによる国内線をミックスした、インターナショナルな航空会社に生まれ変わっている。このような変化を背景に、昨年7月には日本への再就航を果たすことができた。
村上 9年ものブランクがあったせいで、フィジーが日本市場に忘れられているような感覚が強くあり、再びブランドを確立していくことが大きな課題だと考えている。ただし、18年初頭から就航までの約半年間では、準備を進めるなかで市場の期待を強く感じることができた。
村上 オンシーズンの始まりに運航を開始したので、7月と8月は好調に推移し、9月までは何とか目標をクリアできた。しかしそれ以降は少々苦戦し、11月と12月は週3便から週2便に減便して何とか乗り切った。
今年については、基本的には火曜日と金曜日の週2便で運航しているが、繁忙期の年明けやゴールデンウィーク、夏休みなどには日曜日も運航しており、合計で20週間ほどを週3便で運航する予定となっている。そのほか、3月にも学生のグループや企業の視察旅行などが入り、市場が動いている感触はある。
ロードファクターの目標は80%で、昨年の7月から9月までについては達成することができた。しかしオフシーズンに入ってから減便したこともあり、年間では70%台の前半にとどまった。今後は再び80%以上に引き上げたい。
利用者の割合は7割が日本発、3割が海外発で、海外発はニュージーランドとオーストラリアからの訪日客に加えて、ヨーロッパから日本経由でフィジーを訪れる旅行者が多い。そのほかには、フィジーを含む太平洋諸国からの利用者もいる。これらの国々ではラグビーが盛んなので、9月から始まるワールドカップ日本大会や来年の東京オリンピックなど、スポーツをフックにツーウェイで旅行者を取り込み、バランスの取れた路線になることを期待している。