WIT2019開催、ポストスマホ時代を見据えOTAなど意見交換

LINEやCtripも登場、ピッチはミャンマーのOTAが優勝

藤井氏  日本版スーパーアプリの提供者であるLINEからは、執行役員O2O/コマース事業統括を務める藤井英雄氏が登壇。先日に発表した「おでかけNOW」で、タビナカ需要の取り込みにも本格的に進出したことなどを説明した。タビアトに関する取り組みについては未定と伝えたものの、引き続きOMO(オンラインとオフラインの融合)により旅行者の取り込みを強化する考えを示した。

インタビューでのリン氏  Ctrip.comでプロダクト&マーケティング担当副社長を務めるリン・クー氏は、17年から中国以外でのブランド名を「Trip.com」に変更し、グロ-バル展開を進めていることをアピール。一方で、各国の市場にあわせたサービスのローカライズにも注力していることを説明し、昨年には日本・韓国・英国にコールセンターを開設したことなどを紹介した。本誌の取材に対しては、昨年の客室空売り問題(関連記事)では疑惑の見つかった販売業者10社に販売停止措置を実施するなど、適切な対応と問題の早期収束に努めたことを強調するとともに、失敗を今後の日本市場での成長につなげる考えを示した。

ドロウヒー氏  航空会社によるパネルディスカッションには、チェコのOTAのKiwi.comの共同設立者でCEOのオリバー・ドロウヒー氏も登壇し、独自のアルゴリズムで、協業関係にないFSCとLCCの最適な乗り継ぎを提示するサービス「バーチャル・インターライニング」をアピール。航空会社のパネリストからの「問題はバゲージが正しく届くか」などの懸念については、払拭に向けた努力を続けていることを強調した。

flymyaによるピッチ  そのほか、選抜されたスタートアップ8社によるピッチコンテスト(プレゼンテーション)では、ミャンマーのヤンゴンを拠点とするOTAのFlymyaが優勝。人口の2%しかクレジットカードを所有しておらず外資系大手が参入しにくい特殊な環境にある同国で、コミッション率の高さなどを活かして国内線航空券販売により成長を続ける同社の奮闘ぶりは、審査員とオーディエンスの両方から大きな支持を集めた。