経験1年で独立、「食」テーマに需要獲得-起業コンテストでグランプリも

大阪府第3種のTable a Cloth
雑貨バイヤーの経験生かし旅行もプロデュース

-LED関西でのグランプリ受賞はどのような発表をされたのでしょうか
「gochi荘(ゴチソウ)」サイトイメージ。6月1日の開設に向け準備を進めている

岡田 Table a Clothを今ご利用いただいているのは半分がハネムーン、半分がシニアのカップルなのですが、これらの方々はまだ子どもが産まれていない、もしくは育った後で、子育て中のファミリー層が抜けてしまっているんです。でも、子どもができたからといって美味しいものや旅行を嫌いになるわけではない。そこで「おいしい旅」のコンセプトはそのままに、ファミリー層にも何かサービスを提供できないかと考え思いついたのが、国内の農家民宿、体験型民宿を気軽に探せるサイト「gochi荘(ゴチソウ)」です。

 当初はサイトを作るのにいくらかかるのか、どうやって宿を探すのか、など地に足のついた話ではなかったのですが、LED関西を経て協賛企業からのご協力も得られ、今月オープンしました。LED関西では出資を申し出てくださる銀行もあったのですが、こちらは一旦お断りしました。

-具体的に、どのようなサービスなのでしょうか

岡田 国内のファミリー層、それから海外からでも10泊以上で来るような人をターゲットにしたウェブメディアです。具体的には、例えば「養鶏場があり、朝から産みたての卵を採りに行って、その卵で卵かけご飯が食べられる宿がある」といった日本国内の里山にあるような宿の情報を集めて紹介すると同時に、その宿へ予約もできるサイトです。

 コンセプトは、「おいしい町に泊まろう」。「1泊で終わりではなく2、3泊して欲しい」「その町のことを知ってリピーターになって欲しい」という思いでコンセプトを決めました。このため、必ずエリアの取材を実施し、名産品にどんなものがあるか、町を楽しむにはどうしたら良いのかを掲載します。

 一番難しいのは、名産品が見つかっても、「これでどんなことができますか?」と聞くと多くの方が「何もできない」と仰るところです。なので、「この野菜を、こうやって調理して出してくれますか?」というように、企画力というか、言いすぎかも知れませんが食のプランのコンサルティングをさせていただいているようなイメージです。

 6月1日の時点では、30件から50件の宿を掲載予定です。掲載する宿は大手が扱わないような施設ばかり。在庫は持たず、リクエストベースで対応します。事業としての収益性はかなり低く、たくさん売らなければなりませんが、海外の旅行会社との提携の話も進んでいたりします。

-今後、こちらのサイトはどのように成長させていきたいですか?

岡田 サイトは、3年スパンで育てていこうと考えています。リリース時に掲載の地域は京都、奈良、滋賀、岡山、北海道。3年後は、47都道府県全部掲載できていたら良いなと思います。

 ただし47都道府県といっても、なかなか農家民宿を経営しているところがないんです。このため、最終的に掲載件数は500件くらいになるのではないかと予想しています。利用者については、宿1件につき年間送客が平均40組を達成できると良いですね。

 個人のお客さまはもちろんですが、2、3割は団体もしくは海外からの方で、その土地に団体でまるごと泊まっていただけるのが理想です。長期間、その町に滞在してその場所について知っていただくことが、地域の皆さんにとっても嬉しいことですから。

-ありがとうございました