経験1年で独立、「食」テーマに需要獲得-起業コンテストでグランプリも
大阪府第3種のTable a Cloth
雑貨バイヤーの経験生かし旅行もプロデュース
“旅と食のマリアージュ”をテーマとしたオーダーメイド旅行で勝負する大阪の第3種旅行会社、Table a Cloth(テーブル ア クロス)。代表取締役兼トラベルデザイナーの岡田奈穂子氏は、海外雑貨のバイヤーとして活躍していたところから旅行会社を創業した異色の経歴の持ち主で、2017年には経済産業省が女性起業家を対象に開催するビジネスプラン発表会「LED関西」でグランプリにも選ばれている。「業界の常識」にとらわれず、法人化から約1年で順調にビジネスを成長させる岡田氏に話を聞いた。
岡田奈穂子氏(以下、敬称略) 「食べることが大好きな方」をターゲットに、旅のプランニングや手配をしています。もともと海外雑貨のバイヤーとして現地に買い付けに行く機会が多く、また昔イギリスに住んでいたこともあって海外に知り合いがたくさんいたのですが、友人に頼まれて旅行手配の手伝いをするようになり、いつの間にか年間2、30件に増えていまして。
それで「旅行業をしっかり学ぼう」と考えて旅行会社へ転職し、8ヶ月ほど勤務している間に総合旅行業務取扱管理者の資格を取得し独立しました。ちなみに同時期にワインエキスパートにも合格していて、今はワインの講師としてお会いした方から旅行のご依頼をいただくこともあるなど旅行業にも役に立っています。
私は「食」がその土地の文化を表していると考えています。このため、現地の食文化を通じて、できるだけ地域そのものを楽しめる旅をしていただけるようにプランニングしています。例えば、宿は現地の地方のホテルや民宿を選ぶようにして、ローカル感溢れる旅行を手配しています。
目的地は、食が有名なイタリア、フランス、スペインなど海外、ヨーロッパが中心です。他にもオーストラリアやニュージーランド、アメリカ、メキシコ、さらに国内も取り扱っています。
岡田 約2年前に独立して約1年前に法人化しました。現在は、常時20件から30件ほどの手配が並行して進んでいるような状態で、4月から6月は前年比200%くらい伸びています。ただ、クオリティを保つためにもすごく大きくしようとは思っていないので、近々ご紹介のみに限らせていただくことを検討しています。
岡田 通信販売会社に勤務していた時にも様々な新規事業の立ち上げにプロジェクトリーダーとして携わっており、当時の経験は今の仕事に生きていると思います。
あとは、やっぱり「食べること」と旅行が好きだからです。結婚もしていますし、主婦ができる仕事のひとつと思って続けてきた部分もありますが、ありがたいことに多くの方に「Table a Cloth」の存在を知ってもらえることができました。
事業を広げたい、会社にしたい、人を雇いたい、社長になりたいといった欲もなかったのですが、お客さまから求められたことにひとつずつ応じながら、一歩ずつ事業を進めていくという状態です。やはり仕事への原動力は「好きだから」の一言に尽きます。