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平成最後の入社式開催、新たな人材と時代に各社がエール

  • 2019年4月1日

 旅行・航空各社は4月1日、2019年度の入社式を開催した。各社の社長訓示では例年通り、変化する環境への対応や自主性、挑戦などを新入社員に求める内容が多く見られたが、あわせてこの日は新元号「令和」が発表されたことから、新たな人材へのエールに加えて、新たな時代の到来に期待するコメントなども盛り込まれた。大手各社トップの訓示の要旨を紹介する。

JTB:538名入社
代表取締役社長 高橋広行氏

(高ははしご高)

 去る3月12日はJTBの107年目の設立記念日で、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの500日前という節目の日でもあったことを、新入社員の皆さんは御存知だっただろうか。20年に向かう時をさまざまなビジネスチャンスに因み「黄金の時間」と位置づけ、これまで邁進してきたが、いよいよその20年が目前となり、黄金の時間のハイライトを迎えるための重要な1年が始まる。

 本日は新元号の「令和」が発表された。この言葉には「人々が美しく心を寄せ合うなかで文化が生まれ育つ」という意味が込められていると聞いており、今年は歴史的な節目となり、大きく時代が変わる1年となる。我々JTBグループも大きな変化を遂げる1年にしていきたい。

 我々はラグビーワールドカップ日本大会の唯一の公式旅行会社であり、大阪で開催されるG20サミットでは宿泊と輸送の運営事業者を務めるが、グループの総力を挙げて万全の態勢で取り組む。これらのチャンスをものにし、20年以降も本当に輝けるかどうかは20年までをどう過ごすかにかかっている。

 変化に対応できた企業だけが「黄金の時間」の果実を得ることができるからこそ、今般の経営改革をやりきることが必要で、そのためには皆さんのような若い人たちの力が必要だ。皆さんの感性や発想に大いに期待している。ぜひ新しいJTBを創り上げていってほしい。

 社会人として、そして企業人として「JTBグループとともに自分も成長していくんだ」ということを常に意識して、これからのJTB人生を歩んで行ってもらいたいと思う。皆さんを「ONE JTB」の一員として迎えられたことに感謝する。

KNT-CTホールディングスグループ:374名入社
代表取締役社長 丸山隆司氏

(※隆は生の上に「一」が入る)

 皆さんは本日、約7000人の社員が乗っているKNT-CTホールディングスという大きな船に乗ったことになるが、エンジンである国内外のグループ会社36社が同じ方向を向いてこそ、荒波を砕いて突き進むことができる。我々の船の向かう先は売上高を上げていくことで、そのためにはお客様に価値ある商品とサービスを提供し続けなくてはいけない。

 我々の事業は団体旅行事業と個人旅行事業に大別できるが、現在力を入れているのはインターネット販売の強化を軸とした個人旅行事業の再構築だ。近年のOTAの台頭により落ち込んだ個人旅行の売上高を取り戻すことが最大の課題で、今後はウェブサイトの改良と強化で売上高を大きく伸ばす。皆さんも「信用」と「チームワーク」を大事にして、与えられた業務に邁進してほしい。

エイチ・アイ・エス:512名
代表取締役会長兼社長 澤田秀雄氏

 HISグループは多様な事業に取り組んでいて、旅行業、ホテル、電力、ロボット開発、植物工場など様々な分野で新しい芽を育てつつある。メインは旅行業だが、色々な分野で皆さんが活躍いただけることを楽しみにしている。

 皆さんには「大きな夢・目標を持つ」「継続は力なり」「明るく元気に仕事をする」の3つをお願いしたい。

 目標は、まず3ヶ月から5ヶ月の短期目標を持ち、次に3年から5年にHISのこういう分野、こういう部署で働きたいという目標を持ち、そのために自分はこういうことを勉強する、という気持ちで中期の目標を設定してほしい。そして最後に10年から15年後の大きな目標、夢のような目標で構わないので、長期の目標を持って頑張ってほしい。

 「継続は力なり」は、これから職場に入って嫌なこと、苦しいこと、辛いこともあるかもしれない。その時、すぐに辞めたり諦めたりするのではなく、「石の上にも3年」というように継続することで力が付く。嫌なこと、苦しいことがあっても、せめて最低3年はやってほしい。そうすることによって状況も変わる。

 そして最後は、仕事だからといってやらされるのでなく自分で考えてやり、一方で皆で考えて皆で発見し、自分を磨いていく。そうすることによって仕事が楽しくなるはずだ。

 HISグループは全世界で社員が約1万7000名と随分大きくなった。我々がめざしているのは海外旅行で日本一、そして将来世界一になろうということ。若い皆さんに大変期待している。HISが世界一の旅行会社をめざしていくためには、皆さんの新しいアイディアや新しい知恵が必要。皆さんにHISで活躍してもらい、世界一の旅行会社をつくっていきたい。

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