ANA平子氏、ホノルル線のA380に「手応え」-社長会見
同路線は現在、全246席または215席のB787-9型機を使用し、ダブルデイリーで運航中。3機導入する「FLYING HONU」のうち、まずは1機目を火・金・日曜日の週3便のみで使用することについては「オペレーションを重視していることの現れで、確実な運航で安定させたい」と理由を説明した。客室乗務員のトレーニングや入国後の混雑回避のための誘導など、予行演習の実施を重ねて備えるという。なお、7月1日からは2機目も導入し、A380型機による運航を週10便にまで増やす予定。
利益の確保に向けては「3機しか導入しないので、なるべく安いコストで運航とメンテナンスをしたい」と述べ、詳細については語らなかったものの「部品をすべて自社で保有するのではなく、エアバスとの協力体制のもと部品を供給していただく体制を作り上げた」と説明。シェアと利益の両方の獲得をめざす考えを示した。
この日はそのほか、前週に来夏の羽田国際線枠の再拡張に向けて、HAを含む米系航空会社4社が路線就航計画を明らかにしたことについて、ANAHD代表取締役社長の片野坂真哉氏がコメント。1日あたり約50便の増枠分のうち24便が米国線となる配分について、「基本的に歓迎している。現在の米国経済は堅調で、米国路線は好調なので、我々もしっかり準備していく」と語り、アジア/羽田/米国間の移動需要の獲得に意欲を示した。
平子氏は、現在実施しているユナイテッド航空(UA)との共同事業について説明した上で「これまではUAのハブ空港に乗り入れる戦略をとってきたが、近年はそれ以外の成田/シアトル、サンノゼ線も成功している。そう考えると就航したい路線はいろいろとある」と語り、UAのハブ空港以外への新路線開設を示唆。「その先の乗継路線は多くなくても、アジア/成田間路線との接続で充分にお客様を運べている」と現況を説明し、このほど合意したフィリピン航空(PR)との資本業務提携などが「太平洋路線の強化につながる」と述べた。