羽田国内線、発着枠の回収・再配分へ検討開始、夏めどに方向性決定へ

 国土交通省航空局は1月30日、「羽田発着枠配分基準検討小委員会」の第1回会合を開催した。羽田空港における国内線用発着枠の使用許可が2020年1月で5年間の期限を迎えることから、それ以降の配分方法について検討し夏頃をめどに方向性をとりまとめる計画。

 冒頭で挨拶した航空局長の蝦名邦晴氏は、「昨年度の日本の航空旅客数は初めて1億人を超えたが、このうち6割が羽田空港を利用した。羽田は航空ネットワークの中核となる基幹空港で、我が国の競争力強化の観点からも重要な役割を担う」と紹介。そのうえで、前回の配分からの5年間でLCCの浸透や新幹線のネットワーク拡充、訪日需要の急増など大きな変化が起きているとし、「羽田空港における競争の促進、多様な輸送網の形成など様々な視点から是非忌憚のないご意見をいただければと考えている」と委員に呼びかけた。

 主な検討事項は、「各航空会社の発着枠の使用状況や取組みの確認」「発着枠の回収・再配分における基本的な考え方」「発着枠の回収ルールと回収の規模」「再配分にあたっての評価項目等」「市場メカニズムを活用した配分方法」「羽田発着枠政策コンテスト等の政策枠の取り扱い」など。航空会社間の競争促進や地方活性化、運賃の値下がりなど利用者のメリット増といった視点が重視される。

 初回となる今回は、まずこれまでの検討の経緯を振り返り、また前回の検討結果を受けた配分によってどのような変化が起きたかなど現状を確認し、そのうえで委員が意見を述べた。

 例えば前回も議論の対象となった「オークション形式」での配分については、「本当に真剣に話をするのであれば、LCCに参加権を与えなければならない。LCCが羽田に参入していいかどうかをその前に議論しなければならない」という意見や、「際内乗継ぎ改善枠」として関空線に割り当てていた4枠は関空の路線網がこの5年で大きく充実したなかでもはや不要とする考え、さらに場合によっては回収した国内線の枠を国際線に振り分けるアイディアなども示された。

 次回は3月12日に開催し、全日空(NH)、日本航空(JL)、スカイマーク(BC)、エア・ドゥ(HD)、ソラシドエア(6J)、スターフライヤー(7G)から、羽田空港の活用方法や発着枠の回収と再配分などについてヒアリングを実施する予定だ。