ANA、第3四半期は増収減益、旅行業は内際とも苦戦
ANAホールディングスの2019年3月期第3四半期累計期間(2018年4月1日~2018年12月31日)決算は、売上高が前年比5.2%増の1兆5684億円となったものの、営業費用は6.6%増の1兆4118億円、営業利益は5.6%減の1566億円、経常損益は5.9%減の1541億円、純利益は30.2%減の1068億円で、増収減益となった。純利益は、前年度のピーチ・アビエーション(MM)連結子会社化による特別利益の反動や、米国での集団民事訴訟のために和解金約65億円を特別損失として計上したことなどにより大きく減少した。
1月29日の決算発表会見でグループ経理・財務室長兼財務企画・IR部長(執行役員)の福澤一郎氏は、上半期こそ自然災害などにより減益基調だったものの、第3四半期については11月以降の燃油費低下などにより営業利益が計画値を60億円上回るなど、好調だったことを説明。通期業績予想については変更しなかったものの「上方修正する可能性が極めて高い」と伝えた。
事業セグメント別で見ると、航空事業は売上高が6.1%増の1兆3884億円、営業利益が3.9%減の1492億円。また空港地上支援業務などの航空関連事業は売上高が2.6%増の2171億円、営業利益が7.0%増の122億円となった。
航空事業のうち、国際線は旅客収入が11.0%増の4966億円となったほか、旅客数が5.6%増の764万2000人。事業規模を表す有効座席キロ(ASK)は3.0%増で、これに対して旅客輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)は4.4%増となり、利用率は1.0ポイント改善して77.2%となった。
一方、国内線では旅客収入が0.4%増の5348億円と伸びたものの、旅客数はロールスロイス社製エンジンの点検・整備に伴う欠航もあって0.1%減の3375万7000人。ただし利用率は、ASKが0.9%減と縮小したのに対してPPKは0.7%増となったことにより1.1ポイント増の70.3%となった。
LCC事業では、旅客収入が7.5%増の692億円となったほか、旅客数が5.3%増の609万9000人。ASKの2.8%増に対してRPKは2.7%増となり、利用率は0.1ポイント減の86.0%となった。
このほか、旅行事業は売上高が5.5%減の1152億円、営業利益が63.9%減の13億円と苦戦した。国内旅行において天災の影響が出たほか、海外旅行でも重点地域のハワイ、あるいは欧州の集客は堅調であったものの、その他の方面の集客が伸び悩んだという。
通期の連結業績予想は、売上高が3.5%増の2兆400億円、営業利益が0.3%増の1650億円、経常利益が1.6%減の1580億円、純利益が29.1%減の1020億円。