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ジェットスターJも中距離参入へ、20年からA321LRの導入開始

  • 2018年11月27日

(左から)エアバス・ジャパン社長のジヌー氏、GK社長の片岡氏  ジェットスター・ジャパン(GK)は11月27日、都内で事業戦略説明会を開催し、2020年に中距離国際線などで使用するA321LR型機の導入を開始することを明らかにした。代表取締役社長の片岡優氏は、まずは需要の高い既存の国内線・国際線などで使用する考えを述べた上で、「加えて、中距離国際線への参入を本格的に検討する。東南アジアなどへの就航が考えられる」と説明。GKは同日に発表したプレスリリースでも「東南アジアへのリゾート路線など、新たな市場を開拓できる可能性が広がる」と述べ、あわせて「次の成長フェーズに入る」とアピールしている。

 片岡氏は、同社が現在24機のA320型機を保有していることを説明した上で、来春には25機目としてA320ceo型機を導入することを紹介。その後、まずは20年に3機のA321LR型機を導入する計画を伝えた。

 同機は、今年7月にピーチ・アビエーション(MM)も導入決定を発表したA320ファミリーの最新型機で、A321neoをベースに開発。航続可能距離はナローボディ機では最長の7400キロメートルで、座席数は最大244席となるため、現在のGKが使用している180席のA320型機と比べて約35%増加する。燃費効率や機内の静かさなどでも優れるという。会見に同席したエアバス・ジャパン代表取締役社長のステファン・ジヌー氏は「最大で9時間飛行でき、オーストラリアやインドにも就航できる」と説明した。

 片岡氏は、座席クラスを現在のモノクラスから変更し、上級席を設けて2クラス制とするか否かについては「検討を始めたところ」とコメントした。先日にはスクート(TR)が関空/ホノルル線、インドネシア・エアアジアX(XT)が成田/デンパサール線の運休を発表するなど、LCCによる日本発中距離路線の苦戦が伝えられていることについては、これらの路線がワイドボディ機によって運航されていたことを指摘。ナローボディ機で、さらに燃費効率が高まるA321LR型機については「コストモデルが異なり、違う路線展開が考えられる」という。

 なお、LCCによる中距離国際線については、GKの主要な株主である日本航空(JL)も子会社を設立して計画中。今後の2社の動向が注目されるが、片岡氏は「詳細については聞いていない」と述べるにとどめた。また、8月の記者会見で明らかにした、国際線における他のLCCとのパートナーシップ締結に向けた検討についても、多くは語らなかった。

 そのほかにこの日の会見では、現在の成田・関空・中部の3拠点に加えて、第4の国内拠点の開設を検討していることも説明。国内線については、既存の那覇路線や来年3月に就航予定の成田/下地島線に続く、新たな沖縄へのレジャー路線開設を計画していることも明らかにした。

 また、未就航の東北への路線開設も検討しており、成田/庄内線の開設に向けた「積極的な検討」を、地元の自治体や経済界と進めていることも伝えた。観光需要に加えて、近年は「ハイテク企業が進出し、企業や大学の研究所なども多い」ことから、一定のビジネス需要が期待できるという。