日露交流拡大に向け新たな官民連携、23年に40万人へ
日本旅行業協会(JATA)は11月27日に開催した定例記者会見で、官民連携による新たな組織「日露相互交流拡大ワーキンググループ」を立ち上げ、21日に第1回会合を開催したことを明らかにした。2016年の首脳会談以降、日露間の人的交流拡大に向けた動きが継続し、今年10月の自民党観光立国調査会代表団のモスクワ視察などにもJATAが参加していることを受けたもの。今後は観光庁が今年度中に予定している調査事業に協力し、航空便の拡大や旅行商品の造成、観光関連イベントの開催などを促進する。
民間からはJATA副会長の菊間潤吾氏に加えて、全日空(NH)と日本航空(JL)の部長クラスなど計8名がメンバーとして参加。観光庁からは審議官2名を含む4名、日本政府観光局(JNTO)からは総括理事を含む2名が参加する。目標として2023年の目標として訪露日本人20万人・訪日ロシア人20万人の計40万人を掲げる。
訪露日本人20万人の内訳は極東が5万人、モスクワやサンクトペテルブルクなどのヨーロッパロシアが14万3000人、シベリア地方のイルクーツクとノボシビルスクが7000人。昨夏にロシア政府が、極東を訪れる日本人観光客に無料の電子ビザ発給を開始していることを受けて、特に極東への送客に力を入れる。なお、17年の日露交流人口は訪露10万2000人・訪日7万7000人の計約18万人。日露の観光当局は18年の目標として計22万人、19年は計25万人を掲げている。
JATAは16年11月、観光庁が極東を訪れる日本人旅行者の拡大に向けた調査事業に1000万円の予算を計上したことを機に、会長の田川博己氏を含む「極東ロシア視察団」を現地に派遣。その後は同年末に、視察団に参加した旅行会社やランドオペレーター、航空会社などからなる「極東ロシアワーキンググループ」を立ち上げている。今後はさらなる官民連携により活動を強化する考え。