LGBT×東北復興、復興庁による新たな挑戦とは[PR]
官民一体、「目指せ!ダイバーシティ東北」始動
LGBTツーリズムで東北を元気に
東日本大震災から7年半が経つ。東北6県で程度の差はあるものの、復興が依然として道なかば。特に観光、なかでもインバウンドは、風評被害やもともとの知名度の低さもあって順調とはいいがたい状況だ。こうしたなかで復興庁は今年、東北の「観光先進地」化を目標に民間から事業のアイディアを募集し、「新しい東北」交流拡大モデル事業(広域型)として10の提案を選定。このうちのひとつ、「目指せ!ダイバーシティ東北」は、多大な経済効果が見込めるとされる「LGBT」市場に焦点を当てた先進的なモデル事業だ。取り組み開始から7ヶ月が経過した同事業の今を伝える。
年々拡大するLGBT旅行市場、大きな経済効果も創出
今、世界的にLGBTツーリズムが注目を集めている。LGBTツーリズムとは、LGBT旅行者をマーケティング対象にした観光施策のこと。LGBT旅行者は、安全に旅行できる「フレンドリー」なデスティネーションを求めており、そのイメージが広まった地域は、LGBT旅行者が大幅に増え、多大な経済効果を生み出している。
また、LGBTマーケティングに取り組む旅行会社や航空会社、ホテルなどは、LGBTに関する研修や社内対応を経て「フレンドリー」さを身につけ、その上で「プライド」などと呼ばれるパレードの商品造成や、特設サイトの開設などで成果を上げている。また諸外国では、欧州各国やイスラエル、トロントなど国や地域レベルでプロモーションを展開するケースが極めて多い。
また、日本でも最近ではメディアで取り上げられる機会も増え、さまざまな分野でLGBTなどマイノリティーを積極的に登用しようとする動きとして「ダイバーシティ」の考え方も認知を高めているところ。渋谷区から始まった同性カップルに対するパートナー証明書発行の流れをご存じの向きも多いだろう。
LGBT市場「ピンクマネー」、日本でもすでに6兆円規模
LGBT=同性愛者というイメージが強いが、改めてLGBTを整理しておく。Lはレズビアンで女性同性愛者、Gはゲイで男性同性愛者、Bはバイセクシュアルで両性愛者、Tはトランスジェンダーで自認する性別と体の性別が一致しない人。LGBTを含む性マイノリティーは全人口の7.6%を占めるといわれており、さらに国際旅行におけるゲイ・レズビアンの割合は約10%、7000万人に及ぶとされている。
「ピンクマネー」と表現されるLGBTのマーケットは非常に大きく、米国では15年の国内消費額が9170億ドル(約105兆円)、日本国内でも6兆円に迫る。彼らが作りだす旅行市場規模も年々拡大しているところで、現在は約2020億ドル(約20兆円)に達すると試算され、さらに今後も成長が期待されている。