国内旅行概況、18年3Qは7ポイント減、西日本豪雨など響く
日本旅行業協会(JATA)が8月2日から24日にかけて、会員616社を対象に実施した旅行市場動向調査で、7月から9月までの3ヶ月間の国内旅行のDI値(※)は前期(4月~6月)から7ポイント減のマイナス10ポイントだった。西日本豪雨の影響などによるもので、前期に発表した見通し比では11ポイント減、前年比では1ポイント増。なお、調査は台風21号と9月6日に発生した北海道胆振東部地震の影響は含まれておらず、JATAでは影響を会員各社からヒアリングしているところという。
旅行会社からは「西日本豪雨災害で交通機関の寸断や風評被害などが発生し、送客が激減した」「猛暑の影響で避暑地が人気」「天草・長崎の世界遺産関連が人気」などの声が挙がった。
業態別では「ネット系旅行会社」が前期比17ポイント増のマイナス33ポイントと改善したほか、「インハウス」「国内旅行ホールセラー」が前期を上回った。最も落ち込んだのは「総合旅行会社」で21ポイント減のマイナス11ポイントだった。
方面別では西日本豪雨や大阪府北部地震の影響などで「山陽・山陰」が18ポイント減のマイナス39ポイント、「四国」が12ポイント減のマイナス36ポイントとなった。一方、「甲信越」は9ポイント増のマイナス14ポイントとなったほか、「北陸」「北海道」も前期を上回り、JATAでは猛暑の中避暑地が好評だったと分析している。
顧客層別では、団体の「職場」が4ポイント減のマイナス12ポイント、「招待・報奨」が1ポイント減のマイナス12ポイントに。このほか、個人の「OL」が前期並みのマイナス29ポイントだったが、その他は前期を上回った。
10月から12月までの3ヶ月間は、国内旅行全体で10ポイント増の0ポイントを予想。旅行会社からは「シニア層の旅行需要は引き続き活発」「近隣県への日帰り旅行が好調。遠方は目的特化型商品への反応が良い」と前向きなコメントがあったが、「先行需要は良いが直近の伸びがない」との意見もあった。
業態別では、「総合旅行会社」が22ポイント増の11ポイントとプラスに転じる見込み。「国内旅行ホールセラー」は25ポイント減のマイナス50ポイントを予想する。方面別では夏休みの終わりを受けて「北海道」が15ポイント減のマイナス7ポイントと最も減少。「関東」「伊豆・箱根」「山陽・山陰」などは今期を上回ると予想する。
顧客層別では、個人の「ファミリー」が9ポイント減のマイナス11ポイントとなる以外は今期を上回る見通しで、団体の「職場」は12ポイント増の0ポイントともっとも伸長する見込み。
なお、2019年1月から3月までの3ヶ月間については、国内旅行全体で今期比1ポイント増のマイナス9ポイントを見込む。
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※DI値は設問事項に対して「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」の4項目を用意し、集まった回答を数値化したもの。回答数から「取り扱っていない」と回答したものを除いた数を母数として各回答のシェアを算出し、「良い」の割合から「悪い」の割合を引いている。