インディビ協議会、今年は「BTMをブラッシュアップ」、NDCに注目

  • 2018年8月5日

岩田氏 インディビ系の旅行会社10社(※)が参画するインディビ協議会はこのほど、都内で第24回通常総会と懇親会を開催した。同協議会会長を務める通商航空サービス代表取締役社長の岩田健作氏は、本誌などの取材に対し、今年度は「BTM手法のブラッシュアップ」のための研究を継続するとともに、国際航空運送協会(IATA)の「NDC」をテーマに勉強会などを開催する考えを示した。

 BTM手法のブラッシュアップについては、「個人的な見解」としながらも、企業がBTMを体系的に導入することが難しいことを課題として説明。業務渡航費は企業が支払うため、出張者のコスト管理が甘いケースがあることを指摘し、「企業がコスト削減のためにBTMの導入を進めても、出張者が嫌がるケースもある」と話した。「OBT(オンライン・ブッキング・ツール)」を導入した企業でも、単純往復の出張はOBTを使ってコスト削減をはかるが、周遊型の出張は旅行会社に電話で依頼する「ハイブリッド型企業」もあるという。

 OBTについては、会員会社がGDSやコンカーなどのシステムを順次取り入れ、業務渡航に活用しているところ。岩田氏は、具体的な施策は示さなかったもの、「今後は企業の出張費の『見える化』などのニーズに我々として応えていきたい」と話した。

 NDCについては「研究を進めている途上」としながらも、「インディビ協議会として、システム会社やアグリゲーターに何か能動的なアプローチがきればという意見も会員から出ている」と話した。今後は会員向けの勉強会を実施して理解を深めるとともに、NDCの活用について検討していく。

木本氏 また、同会の理事長を務める日立トラベルBTM事業本部本部長の木本隆夫氏は「NDCについては、アグリゲーターやGDSが、旅行会社がまとめてNDCを使えるツールを作らなければなかなか厳しいのではないか」とコメント。アグリゲーターやGDSの動きを注視していることを説明した。

 このほか、岩田氏は懇親会で挨拶し、昨年度について「PCI-DSSにはじまりPCI-DSSに終わった」と総括。PCI-DSSはクレジットカード情報を取扱う企業のためのセキュリティの国際基準で、インディビ協議会によると会員各社はレベルはそれぞれであるものの対策を完了し、昨年度で一段落したとの考えだ。

 さらに、岩田氏は「欧州連合(EU)の個人情報保護ルールの厳格化や、国際航空運送協会(IATA)のNDC、決済システムの改定などいろいろな変化が起きる中、会員企業はもちろん、出席者の知恵を得ながら、お客様へのサービスの向上と業務の効率化に務めていきたい」と話した。

※インディビ協議会加盟会社:エムハートツーリスト、エルオルト、ソニーコーポレートサービス、通商航空サービス、東芝ツーリスト、トッパントラベルサービス、阪急阪神ビジネストラベル、日立トラベルビューロー、富士通トラベランス、コベルコビジネスサポートの10社。菱和ダイヤモンドサービスとNECマネジメントパートナーの2社がこのほど退会した