AY、メガFAMでネットワーク活用訴え-日本5路線目を検討
オウルなど7方面を訪問
視察や教育旅行の素材も
ロクア・ジオパークでフィンランドらしい自然体験
文化と産業の歴史を野外博物館で学ぶ
教育旅行のデスティネーションとしての強みには、オウル周辺に広がる豊かな自然。オウルから南東に車で1時間ほどのところに広がる「ロクア・ユネスコ世界ジオパーク」は、氷河期に形成されたランドスケープが独特な雰囲気をつくりだしている。
一歩森に足を踏み入れると、そこは幻想的な静寂の世界。「都会から来た人はときどき、この静寂が怖いと漏らすんです」とはロクア・ジオパーク・エクゼクティブディレクターのベサ・クロッキーさん。松林から漏れる陽の光が地面の白い苔を照らし、聞こえてくるのは鳥の鳴き声だけ。「フィンランドは空気がきれいなところですが、そのなかでもこのジオパークは特にきれいなところ。違う惑星に来たような感じがしませんか」と静かに続けた。
ジオパークの中にある「ロクア・ヘルス&スパ・ホテル」では、季節に合わせたアクティビティ・プログラムを用意している。春から夏にかけては、マウンテンバイク、フィッシング、カヌー、ハイキングなどが楽しめ、教育旅行では格好のチームビルディングの機会になる。また、地元の人たちのライフスタイルとなっているキノコ狩りやベリー摘みもこの地方らしい楽しみ方だ。
オウル周辺の歴史に触れたいなら「トゥルカンサーリ野外博物館」がおすすめ。オウルから東に14キロメートルの島で、17世紀から20世紀初頭にかけての伝統的な生活を再現している。敷地内にあるトゥルカンサーリ教会はオウル地方で最も古い木造建築物と言われている。
博物館では、この地方の産業を支えたタール(松脂)の製造の歴史を学ぶことができる。日本人にとっては、幕末に来航したペリーの黒船に使われていたと説明するのが分かりやすい。当時は防腐剤として船舶に塗られ、そのため外観が黒い船となった。今でもタールはこの地方の特産品。現在では用途が変化し、石鹸などの日用品のほかキャンディーにもなっている。博物館のオープンは夏期のみだが、グループ向けには、当時の遊びやダンスなどのアクティビティを含めたガイドツアーも用意している。