旅行業公取協、18年度も規約普及に注力-通常総会
旅行業公正取引協議会(公取協)は6月26日、都内で第34回の通常総会を開催した。会長の菊間潤吾氏は冒頭の挨拶で「昨年は3月に経営破綻したてるみくらぶの事案を受け、企画旅行の広告の表示基準などの一部改正をおこなった」と振り返った上で、「今年はさらに旅行業法施行規則の一部が改正され、また、旅行サービス手配業登録制度が導入され、いわゆる民泊新法が施行される」と説明。「旅行業者にとってはこれまで以上に、一般消費者に対して詳細で透明な旅行条件の提示が求められることとなった。今年度も公正競争規約の普及のために旅行会社などに周知徹底をはかっていきたい」と考えを示した。
総会では「募集型企画旅行の表示に関する公正競争規約(表示規約)の一部変更への取り組み」「旅行広告の適正化推進及び関係法令の普及」「協議会組織及び運営基盤の強化」「広報活動の強化」の4つを柱とする18年度事業計画案を承認した。
このうち「旅行広告の適正化推進及び関係法令の普及」に関しては、これまで同様に春と秋の年2回、全国主要都市で旅行会社を対象とする説明会を開催するほか、会員旅行会社や自治体、大学・専門学校、団体などを対象とする出前講座や講師派遣も積極的に実施。常務理事の銭場忠夫氏は「公正競争規約の普及を推進するとともに、旅行業界がコンプライアンスに真剣に取り組んでいることをアピールする」と語った。
なお、17年度の会員会社の公正競争規約違反は前年比5件増の13件で、うち口頭注意が7件、文書注意と警告が各3件。厳重警告や違約金、除名処分、消費者庁への措置請求に該当する事案はなかった。
17年度の相談件数は前年比3.8%増の671件。自治体や消費者からが23.2%増の69件、会員会社からが4.6%増の500件とそれぞれ増加。相談内容別では、旅行代金や告知広告、運送・宿泊サービスなどの表示に関するものが412件で全体の61.4%を占めた。次いで景品に関するものが131件で19.5%、旅行業法や旅行業約款など関係法令に関するものが128件で19.1%となった。