17年の日本人クルーズ人口、過去最高の31.5万人、初の30万人台

  • 2018年6月13日

横浜港大さん橋国際客船ターミナル(4月1日撮影) 国土交通省がこのほど発表した2017年の日本のクルーズ動向で、船内で1泊以上宿泊する国内外へのクルーズを利用した日本人旅行者が前年比27.0%増の31万5000人となり過去最高記録を更新した。外国客船の日本発着クルーズの増加によるもの。昨年はキュナードの「クイーン・エリザベス」やコスタクルーズの「コスタ ネオロマンチカ」などが初めて、スタークルーズが17年ぶりに、それぞれ日本発着クルーズを実施している。

 乗下船地または寄港地のいずれかに海外が含まれる外航クルーズを利用した日本人旅行者数は27.4%増の19万7000人で、人泊数は13.5%増の134万9000人泊だった。このうち、外国船社は旅行者数が30.0%増の18万7000人、人泊数が15.4%増の124万5000人泊。日本船社は旅行者数が9.1%減の9000人、人泊数が5.5%減の10万3000人泊だった。また、外航クルーズを利用する外国人旅行者数は46.9%増の4万100人だった。

 日本人旅行者の傾向を見ると、全体の99%がレジャー目的の利用で、残り1%がインセンティブやセミナー、団体旅行、姉妹都市や姉妹港間の交流となった。平均泊数は前年より0.8泊減の6.9泊。外国船社は0.9泊減の6.6泊となったが、日本船社は0.4泊増の11.1泊と伸長した。

 旅行者の訪問するエリアは、アジアが最も多く全体の57.0%を占めた。2位は地中海を除く欧州で15.7%、3位は地中海(エーゲ海、黒海)で12.2%だった。

 乗下船地および寄港地のすべてが日本国内となる国内クルーズ(内航フェリーのチャータークルーズを含む)の日本人旅行者数は26.4%増の11万9000人、人泊数は34.4%増の31万1000人泊だった。このうちクルーズ客船の旅行者数は26.6%増の11万8000人で、人泊数は34.5%増の31万1000人泊。内航フェリーは前年並みの400人・1000人泊となった。なお、国内クルーズでは昨年10月から、せとうちホールディングスが小型客船「ガンツウ」の運航を開始している。

 国内クルーズを利用する日本人旅行者の96.5%がレジャー目的の利用で、2.0%が団体旅行、1.0%が姉妹都市や姉妹港間の交流、0.5%がインセンティブ。平均泊数は0.1泊増の2.6泊で、外国船社は前年並みの2.0泊、日本船社は0.1泊増の2.6泊だった。

 このほか、クルーズ船社による訪日クルーズ旅客数は27.0%増の約252万9000人で、過去最多となった。

 日本へのクルーズ船の寄港回数は37.0%増の2764回。外国船社のクルーズ船が39.5%増の2013回、日本船社のクルーズ船が30.8%増の751回だった。寄港回数が最も多かったのは博多で326回。ついで長崎が267回、那覇が224回、横浜が178回、石垣が132回と続いた。

 このほか、日本を発着する外航旅客定期航路の乗客数は16.5%増の143万9000人で、このうち日本人乗客数は19.5%減の12万4000人。最も乗客数が多いのは日韓航路で16.6%増の142万9000人となり、このうち日本人は19.7%減の1万2000人、外国人は21.8%増の130万7000人となった。