JATAなど、今年も永田町に300名、3連休制度維持を要望
日本旅行業協会(JATA)などの観光関連6団体は5月30日、衆議院第一議員会館内で「働き方改革など休暇制度を考える会議」を開催した。昨年4月に同会場で開催した会議に続くもので、「海の日」などを含む祝日3連休化(ハッピーマンデー)制度の維持を政界に訴えることがねらい。この日は6団体の会員企業などから業界関係者約300名が出席し、観光に縁のある与党国会議員などとともに決議文を採択した。
祝日の一部を月曜日に移し、土・日曜日と合わせて3連休化する同制度については、2020年の東京五輪の開会式と閉会式の前後における混雑緩和などのため、7月第3月曜日の「海の日」、8月11日の「山の日」、10月第2月曜日の「体育の日」を同年に限り移動させる検討が進んでいるところ。ただし海の日については近年、超党派議連などが「本来の意義を周知させる」として7月20日に再固定化することを検討しており、21年以降の固定化に向けた動きを見せている。このことを受けて6団体は今月10日に記者会見を開催し、改めて制度の維持をアピールするとともに、政界への働きかけを進める方針を示していた(関連記事)。
今回の会議に参加したのは、JATA、全国旅行業協会(ANTA)、日本観光振興協会(日観振)、日本ホテル協会、全日本シティホテル連盟、日本旅館協会の6団体に加えて、全日空(NH)や日本航空(JL)、東日本旅客鉄道(JR東日本)など。冒頭で観光業界を代表して挨拶したJATA会長の田川博己氏は「観光業界も五輪の成功に向けて祝日を移動させる動きには賛同するが、21年以降の固定化は別問題」と強調した。
また、先に発表した声明で主張した、祝日3連休は地方創生に資する送客の機会として重要であること、貴重な3連休の分断は働き方改革の流れに反すること、同制度は653万人の署名と多くの自治体の採択により導入され、20年間広く支持を得ていることの3点を改めて説明。制度の維持に理解を求めるとともに、国会議員などに対しては「我々も選挙や日頃の政治活動を通じてお応えしていきたい」と述べた。
国会議員を代表して挨拶した、自民党幹事長代理で観光立国調査会会長の林幹雄氏は、「議員同士、手を携えてハッピーマンデー制度を守る」と明言。この日は林氏のほか、10数名の国会議員が出席し(一部は代理)、各氏が制度維持の重要性を主張した。
観光庁からは観光地域振興部観光資源課長の蔵持京治氏が挨拶。政府が公立学校の夏休みなど、長期休暇の一部を別の時期に分散する「キッズウィーク」の導入に向けた議論を進めていることを紹介した上で、「官民で休暇改革の議論が進むよう取り組む」と述べた。そのほかJATA以外の5団体やNH、JL、JR東日本の役員も発言し、最後は声明で掲げた3点を盛り込んだ、制度維持に向けた決議文を採択した。