シニア人材活用でJATAが調査、ガイドライン発行へ

  • 2018年5月27日

 日本旅行業協会(JATA)はこのほど開催した定例記者会見で、17年度から18年度にかけて取り組んでいる、シニアの雇用推進をめざす「旅行業高齢者雇用推進事業」について報告した。厚生労働省所管の独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構からの受託事業として展開するもの。17年度は会員の旅行会社に対し、高齢者雇用の実態に関するアンケート調査を実施。外部のシンクタンクから委員長招き、大手旅行会社や地域旅行会社、OTAなどからなる委員会も設置した。

 アンケートは昨年8月から9月にかけて、会員会社の総務・人事担当者や50代以上の社員などを対象に実施。アンケート回答企業のなかから数社に聞き取り調査をおこなった。調査によれば、定年の年齢は60歳で、65歳までの再雇用が多い。再雇用された社員はフルタイムで勤務し、定年前とほぼ同じ業務を責任の範囲を狭めた形で担当する。

 JATA総務部長の長田勇二氏によれば、旅行会社の社員の傾向として、1980年代後半のいわゆる「バブル期」に入社した40代から50代前半の社員が多く、50代後半以降の社員が全体に占める割合が低いのが現状。このため、高齢者雇用を喫緊の課題とする企業は少ないという。

 18年度は9月を目処に、シニアの雇用推進に向けたガイドラインを作成。労働力の減少を見据え、定年後の人材を活用する必要であることの周知・啓発や、各社が講じるべき具体的な施策などを提示する。10月以降にはガイドラインを普及するため、会員各社を対象にセミナーを開催する予定。