17年度の宿泊業倒産は7件増の81件、負債総額2割増
東京商工リサーチ(TSR)によると、2017年度の宿泊業者の倒産件数は前年比7件増の81件となり、2年ぶりに前年度を上回った。件数が100件を下回ったのは4年連続。負債総額は20.8%増の415億7000万円で、3年ぶりに前年度を上回ったが、過去20年間では16年度に次ぐ低さとなった。主な倒産は負債総額89億5100万円のRRHH(旧商号:リーガロイヤルホテル広島)や同68億1600万円のRRHK(旧商号:リーガロイヤルホテル小倉)などで、両社は昨年12月に特別清算開始決定を受けている。
原因別では「販売不振」が46件で最も多く、全体の56.7%を占めた。2位は「既往のシワ寄せ(赤字累積)」で22件。以下は「設備投資過大」が4件、「他社倒産の余波」が3件で続いた。形態別では「破産」が56件で全体の69.1%を占め、2位は「特別清算」が21件で続いた。地域別の1位は中部で29件。2位は関東で16件、3位は中国で9件だった。
17年3月単月の倒産件数は2件増の9件で、負債総額は76.0%減の14億6000万円。前年は2件だった負債10億円以上の倒産は0件で、1件だった1000万円以上5000万円未満の倒産は3件に増加した。形態別では破産が6件で最も多く、以下は特別清算が2件で続いた。地区別では中部が5件、関東が3件などとなった。
なお、17年度の旅行業の倒産件数は1件減の26件で、負債総額は86.3%減の29億1600万円。17年3月にてるみくらぶの大型倒産があったことから、負債総額は大きく減少した。3月単月の倒産件数は1件減の1件で、負債総額は99.3%減の1億4100万円。旅行業の詳細は別途記載(下記関連記事)。