大分県日田市・逆境こそ地域力を発揮(2) 洋酒博物館や道の駅―立寄も充実、「九州観光のへそ」売り込む
JR日田駅に近い「天領日田洋酒博物館」は、館長の高嶋甲子郎さんのコレクションを展示。洋酒の世界に憧れ13歳から収集したボトル、ポスター、グラスなど3―4万点が並ぶ。圧巻は「マッサン」のモデル、ニッカウ井スキー創業者の竹鶴政孝さんが作った初期釜(ポットスチル)。これを入手するに至った苦労話は、高嶋さんの抱腹絶倒なトークで聞かせてくれる。「時間が許す限り一人ひとりをご案内しています。見学後は、樹齢100年の日田杉のカウンターでハイボールをどうぞ」と高嶋さん。旅行会社にも柔軟に対応し、酒のまち日田のアピールに努めている。
旅行会社対応では、JR九州が経営参画し今年3月10日にリニューアルオープンした道の駅「水辺の郷おおやま」もお勧めスポット。新鮮な農産物や大山町の特産・梅干しなどを販売するファーマーズマーケット(直売所)とレストランからなる。レストランは牛・豚・鶏・ジビエの焼肉グリルをメーンに、野菜やスープなどのブッフェスタイルで提供する。個室6室を含めて計112席があり団体対応も可能だ。旅行会社向けランチプランは4種の焼肉が楽しめ、1人1500円。日田観光はもちろん周遊時の立ち寄りにもいい。
そのほか、標高950メートルの椿ヶ鼻一帯に展開する「スノーピーク奥日田キャンプフィールド」は“スノーピーカー”と呼ばれる本格派から初心者、ファミリーまで幅広く集客。日田名物、三隈川の鵜飼と屋形船はアユ漁が解禁される5月下旬から始まる。本格的な日田観光の復興とシーズン幕開けは目前。
「博多から高速バスで90分の日田は九州のど真ん中です。地元の皆さんの取り組みで受け入れ態勢が整い、これから九州観光のへそとして発信していきます」と、大分県西部振興局地域振興部の宇都宮重幸さんは意気込む。
情報提供:トラベルニュース社