JTB高橋社長、「第3の創業」を強調、今年は経営改革推進
JTB代表取締役社長の高橋広行氏(※高ははしごだか)は1月24日、同社グループの「2018年新春経営講演会」で挨拶し、2018年をグループにとっての「第3の創業」の年と位置づけ、経営改革に注力する方針を示した。同社は1月1日付で社名を従来の「株式会社ジェイティービー」から「株式会社JTB」に変更。4月1日には地域会社などを再統合し、大幅に経営体制を変更する(下記関連記事)。
高橋氏は「第3の創業」により、今後は「ソリューションモデル」のビジネスに舵を切る考えを説明。「第1の創業」でのチケット代売モデル、「第2の創業」におけるパッケージ旅行販売に続き、BtoB・BtoCの両方において「デジタルとヒューマンタッチを融合し、お客様の期待を超える価値や成果を実現する」ことに重きを置くとした。
このうち「最大の成長領域」と位置づけるBtoBにおいては「社会問題の解決までを視野に入れ、高い次元のソリューションを実現する」と強調。具体的な「社会問題」としては地方創生や訪日旅行、スポーツビジネスなどの振興などを列挙し、「国策にも合致する」と述べた。そのほかオープンイノベーションによる異業種との協働などにも意欲を示し、昨年の挨拶と同様に東京五輪を控える20年までの「黄金の時間」について「果実を得る」と意気込みを示した。
そのほか、今年は事業ドメインについても従来の「交流文化事業」から「交流創造事業」に変更することを説明。「JTBならではの商品やサービスなどのソリューションの提供により、地球を舞台にあらゆる交流を創造し、お客様の感動・共感を呼び起こす」と語り、「既存事業の延長とは一線を画した、新たな発想による創造」をめざすとした。また、働き方改革やダイバーシティの推進などの「カルチャー改革」にも取り組むとした。
17年の市場についてはデジタル化の進展やシェアリングエコノミーの浸透、「インスタ映え」などに見られる消費者主導のブームが印象的だったと総括。18年の市場については、BtoBについては好調を維持し、BtoCも堅調に推移すると予想するとともに、海外旅行者数は前年比1.7%増の1820万人、国内旅行者数は1.8%増の3億1120万人、訪日外国人旅行者数は11.5%の3200万人との予測を示した。
18年のトピックとしては、各種の法・制度改正に加えて、2月には平昌冬季五輪、6月にはサッカーワールドカップロシア大会と世界的なスポーツイベントが開催されることを説明。その流れを受けて、19年にはラグビーワールドカップ日本大会、20年には東京オリンピック・パラリンピック大会が開催されることについて述べ、「今年はスポーツツーリズムにとっては『黄金の時間』の元年」と期待を示した。