訪日客数、17年は19%増の2869万人-「高次元の政策」推進へ
国土交通大臣の石井啓一氏は1月12日の閣議後会見で、2017年の訪日外国人旅行者数が前年比19.3%増の約2869万人に上ったことを発表した。増加は6年連続で、記録更新は5年連続。伸び率は12年以降では最も小さかったが、昨年の21.8%増と同様に、概ね2割増となった。
石井氏は「12年は836万人だったが、5年で約3.5倍増となった。安倍政権の取り組みが成果となって表れている」と政府の観光政策をアピールするとともに、「アジアからの旅行者数が大きく伸びた一方、欧米豪からも順調に増えている」と説明。市場別の旅行者数などの詳細や、4兆円を超えたと見られる訪日旅行消費額については、16日に予定されている観光庁長官の定例会見で明らかにする旨を伝えた。
17年の増加要因については、ビザ取得要件の緩和や消費税免税制度の拡充など「これまでにない大胆な取り組みを矢継ぎ早に実行」したことや、引き続きCIQ体制の整備、多言語対応の拡充、日本政府観光局(JNTO)などによるプロモーションに取り組んだことを説明。一方で、旅行者のFIT化や「コト消費化」などが進み、対応すべき新たな課題が現れていることについても指摘し、20年の目標として掲げる訪日客4000万人の達成に向けては「政府を挙げて、さらに高い次元の政策に取り組んでいきたい」と述べた。
そのほか、目標達成に向けては「幅広い国や地域からの旅行者を確実に増加させることが必要」と強調。今後はアジアからのFITやリピーターの取り込みに加えて、欧米豪での認知度向上、デジタルマーケティングの本格導入によるプロモーションの高度化に取り組む考えを語った。あわせて、昨年末に開催された政府の「観光戦略実行推進タスクフォース」の会合では、新幹線におけるWiFiサービスの整備など「世界最高水準の旅客サービス」の実現や、VRなど最新技術による観光資源の紹介などへの取り組みについて議論したことを説明した上で、改めて「高い次元の観光政策に積極的に取り組む」とした。