OTOA大畑会長、登録制度定着に向け決意-支払い早期化も強調
日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)は1月9日、都内で新年会を開催した。会長の大畑貴彦氏は、4日に改正旅行業法が施行され、訪日・国内ランドオペレーターの「旅行サービス手配業者」としての登録が義務付けられたことを改めて説明。「制度の導入により旅行者の安全、良質なサービスの提供、公正な事業間取引が確保される。お客様に安心して旅行してもらえるよう、新制度の定着に向け皆様と努力していきたい」と意欲を述べた。
OTOA事務局によれば、17年春に実施した会員の実態調査では140社の会員企業のうち50社が訪日旅行を取り扱っており、このうち旅行業登録のない12社が「旅行サービス手配業者」として登録する必要があるが、すでに各社が手続きを進めているという。なお、旅行業登録済みのランドオペレーターは登録の必要はない。
改正旅行業法において旅行サービス手配業者は、営業所ごとに「旅行サービス手配業務取扱管理者」の選任が義務付けられており、管理者は改正法の施行後6ヶ月以内に「登録研修機関」で研修を受講する必要がある。OTOAは研修機関として登録をめざすとともに、会員のさらなる増加をめざす考え。なお、現在は海外旅行を取り扱う会社を対象として入会を認めているが、今後は訪日旅行のみを扱う会社の入会可否について検討を進めるという。
大畑氏はてるみくらぶ問題についても触れ、旅行会社に対し「旅行者から預かった費用を早期にサプライヤーに支払うことも、消費者の被害を最小化する上で効果的」と強調。本誌の取材には「(支払い問題については)これまでは『グローバルスタンダードに倣って一層の改善を』と言い続けてもなかなか変わらなかったが、ようやく周りの環境が変わってきた」と説明。「引き続き主張することが重要」と語った。
大畑氏は挨拶では「国際観光旅客税(仮称。いわゆる出国税)」の使途についても言及し、「海外旅行の促進やサービスの向上に目を向けてもらいたい」とコメント。これに対し、続いて登壇した観光庁審議官の祓川(はらいかわ)直也氏は「海外旅行の安全対策、スムーズな出入国管理などに効果的に使い、旅行者が安全かつ快適に旅行できるよう活用していきたい」と話した。
そのほか、JATA理事長の志村格氏は、このほど閣議決定された17年度補正予算と18年度本予算で予算措置された「海外旅行者の安否確認のための情報プラットフォームの構築」について語り、「(外務省の)たびレジを高度化し、プッシュ&プル方式で旅行会社の添乗員などが安全確認をできるようになる」と期待。「国際観光旅客税の導入も決まり、今年は行政が新次元に行く年になるのでは。旅行会社とランドオペレーターの協力を進め、双方向の交流を一層進めたい」と話した。