週間ランキング、1位は最優秀のHIS添乗員、GDSサーチャージも
[総評] 今週の1位は、「ツアーコンダクター・オブ・イヤー2017」の大賞を受賞されたエイチ・アイ・エス(HIS)の中田啓司氏のインタビューでした。実は先週までの基準で集計すると、ピーチが関空/釧路線を開設する記事が1位なのですが、先週の当欄(リンク)でも書いた通り旅行業界内の興味を正確に反映しているとは考えにくいため、来年からとお伝えしていたランキング作成のアルゴリズム変更を前倒しすることにしました。
今週の基準は、暫定的にメールニュースのURLがクリックされた数を単純に比較したものとしました。こちらではピーチの記事は10位にも入っていない一方、他の記事は順位の上下はあっても顔ぶれは似通っており、やはり関空の特殊さが目立ちます。(当面は新基準と旧基準のランキングを両方掲載してまいりますので、ご興味があればご覧ください。)
さて、中田氏ですが、添乗歴22年・総添乗日数3900日のベテランで、添乗員能力資格認定1級などの資格を多数取得されており、しかも店舗でのコンサルティングやスタッフへのレクチャーを担い、さらに経験や知識を活かしてメディアにも登場して添乗員の職業イメージを向上したことなどが評価されての受賞です。
もともとはサブタイトルにもある通り「一時しのぎ、10回でやめる」と思っていたそうですが、心を定められてからは精進を続けられたことがこうした評価に繋がったのでしょう。
HISには2015年に入社されたとのことで、残念ながらそのあたりの経緯や転職を決められた理由などをお聞きしそびれてしまっているのですが、現在は添乗員の活躍の場を増やし、その「添乗力」を会社の力に繋げていくお取り組みをなさっているそうです。3ページ目の「添乗力」についてのご意見は、個人的にもまさに我が意を得たりで、文章を読むだけで熱いお気持ちが伝わってくるように思います。
次に第2位はこれまたHISで、2017年10月期の決算が入っています。先週も澤田秀雄氏について書いたばかりですが、HISの話題に注目が集まるのは納得が行きますし、タイトルの「20年度に営利1000億円」という言葉は特に目を引きます。
1000億円達成時点に想定される状態について詳しくお話しいただけなかったこともあって、その時に旅行事業の営業利益は全体の何割、といった情報を盛り込めず、結果としてやや「釣り記事」のようになってしまった点はお詫びしなければなりませんが、今のように全体の半分以上を旅行業が稼ぐ姿はなかなか考えにくいところです。
旅行以外のハウステンボス関連、ホテル、そして電力販売などがどの程度の割合で伸びていくのか予想できませんが、仮に旅行が全体の2、3割程度になったとすると、果たしてその時に「HIS」がどのような姿に見えるのか、今から非常に気になるところです。
このほか、第7位の記事ではエールフランス航空・KLMオランダ航空グループが来年4月からGDSでの予約と発券に対してサーチャージを課すことをお伝えしています。ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)やブリティッシュ・エアウェイズ(BA)などがすでに導入しており、一つの流れとして受け止めるしかないのでしょう。
本当は、旅行業界全体で「それなら売らねえ!」と啖呵を切れればおもしろいのですが、残念ながら今のところ絵空事です。とはいえ、INFINIやAXESSを抱える日系航空会社が今後どう振る舞うのか、あるいは各航空会社が独自の販売チャンネルを持つなかでそれ専用のメタサーチ的なサービスが必要になるのではないか、など色々と興味は尽きません。(松本)
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