アウト促進協、「実験」の1年目振り返る-今後は若者などに焦点

  • 2017年11月28日

菊間氏  日本旅行業協会(JATA)のアウトバウンド促進協議会は11月27日、観光局や大使館、航空会社など、旅行会社以外の会員を対象に意見交換会を開催し、協議会を立ち上げた今年2月からこれまでの活動と、来年度以降の活動計画について議論した。冒頭で登壇した会長の菊間潤吾氏は、これまでについては「実験期間」との見方を示した上で、来年については「皆様の知恵を借りて羽ばたきたい。実施しにくい複数国による共同プロモーションなどに、我々をうまく使ってほしい」と呼びかけた。

 菊間氏は「複数国による共同プロモーション」の例として、同協議会が欧州9ヶ国の観光局・大使館と共同で、10月の実践女子大学の文化祭において観光セミナーなどを開催したことを説明。「若者の声を直接聞くことができた。来年度は各大学の文化祭実行委員会と組んでセミナーを開催し、若者に海外に行ってもらうために仕掛けていきたい」と語った。JATAによればセミナーには350名程度が参加。18年度は3校から4校程度で開催したい考えで、欧州以外の観光局・大使館も出展できるようにするという。

 協議会事務局によれば、18年度はそのほか、地方での教育旅行の拡大に向け、JATA地方支部の協力のもと教職員を対象にセミナーを実施する。6つのエリア部会がそれぞれ教育旅行誘致マニュアルを作成し、教職員などに配布するという。

 旅行会社の企画担当者向けのセミナーにも引き続き注力する。18年1月から19年3月までの1年3ヶ月は「OFFシーズンを売る」をテーマとし、18年1月から3月までの間はニュージーランド、台湾、カナダ、北米の4方面のセミナーを開催する予定。4月以降については観光局や大使館の立候補を募った上で決定する。このほか、引き続き旅行会社や観光局、航空会社と共同で研修旅行を実施。4月にドバイ、5月にマケドニア、6月に南アフリカ共和国を予定しているという。

▽「台湾30選」は12月初旬に決定-東アジア部会

 意見交換会では各部会が17年度上期の活動報告と下期の活動方針を説明した。このうち中国・韓国・台湾からなる「東アジア部会」は、「ツーリズムEXPOジャパン2017」において開催した第2回の全体会議で構想を示した「世界遺産級 台湾30選」の進捗について報告。JATAが15年に選定した「ヨーロッパの美しい村30選」を参考にしたもので、10月1日に旅行会社や航空会社など20社と台湾観光協会などからなる実行委員会を発足したこと、20社から提案のあった101ヶ所の観光地について11月末に選考をおこなうこと、12月初旬に30選を発表することを伝えた。