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ニューカレドニア、観光立国へ本腰、18年は新キャンペーン

  • 2017年10月30日

モスラン氏  ニューカレドニア観光局はこのほど、エア・カレドニア・インターナショナル航空(SB)と、東京と大阪でワークショップを開催した。現地からホテルやオペレーターなど10社が来日し、最新情報を提供した。

 ニューカレドニアを訪れた日本人旅行者数は2016年、5.5%増で推移。また、観光収入はこの3年間で35%増加した。来日した観光局長のジャン=マーク・モスラン氏はこの傾向が17年以降も継続する見通しを示し、「日本市場はニューカレドニアにとって過去30年、重要市場だった。これは今後も変わらない」と日本市場に対する認識を強調した。

 18年度は、「ニューカレドニアのラグーン:リーフの多様性とその生態系」が08年の世界自然遺産登録から10周年となることにあわせ、世界遺産をテーマにキャンペーンを展開。従来の主要客層であるハネムーナーやカップル、卒業旅行の学生に加え、シニアに対する誘客を強化し、客層を広げていく。

 モスラン氏は「ニューカレドニアは海を思い浮かべる人が多いと思うが、山や森林など陸上の自然も豊富。植物では約3000種以上の固有種がある」と、陸上の自然の多様性と魅力をアピール。赤い大地や青い湖などインスタ映えする絶景やハイキング、乗馬など陸のアクティビティの発信も強化し、商品造成を促していく方針だ。

 さらにモスラン氏は業界紙の合同インタビューで、ニューカレドニア政府が観光を産業の柱に充てる方針に転換したことを発表。日本にとってニューカレドニアは観光のイメージが強いが、実は主力産業はニッケル産出などの鉱業で、「観光はそこまで重視されていなかった」という。しかし、ニッケルの価格低下や埋蔵量を考慮し、今後は観光産業を鉱業に代わるトップ産業に成長させる政策を展開する。

 まずは今後5年間で総観光客数を20万人へと倍増させる計画で、観光開発も強化。ただし、環境保護を重視し、「マスマーケットの誘致は考えていない」との考えで、ハイエンド向けの自然に溶け込むブティックホテルなどで、「100%サスティナブルなツーリズム」をめざして展開する。あわせて、住民に対する観光業の啓蒙もおこなっていくという。

 これにあわせ、観光誘致体制も強化。これまで島内に3つあった観光局を1つに統合するため、現在、調整をおこなっている。実はニューカレドニア観光局はその3つのうちの1つだったが、海外プロモーションに関して全体を請け負っていた。今後は統一体制で「海外プロモーション」「調査分析」「投資」「クルーズ」の4部門を柱に、観光地経営をおこなうDMOとして展開するという。新体制は半年後を目途に発足する見通しだ。


▽SB、A330-900neo導入で機材大型化へ

足立氏(左端)とSB日本支社のスタッフ  SB日本支社長の足立峯之氏は最新情報として、19年に新機材のA330-900neo型機を導入することを発表。現行のA300-300から総座席数を増加し、座席クラスもプレミアムエコノミーを加えた3クラス制に拡充する。

 SBは現在、日本路線は成田線の週4便と関空線の週2便の2路線で運航しているが、13年から成田線については季節や需要に応じて運航便数を増やし、16年はミドルシーズンに週5便、セミピークには週6便、トップピークはデイリーで運航。こうした成果が毎年約5%の日本人増加に繋がっているといい、日本人旅行者数2万5000人の目標に向け、機材の大型化を決定した。SBは日本を重要市場と位置付け、今年10月に営業や予約発券、コールセンターを含め、完全自社運営を開始している。