OTOA、6年ぶりに会員調査-旅行会社に「コンプラ徹底を」
日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)は10月17日、6年ぶりに実施した、第3回の「OTOA会員の実情に関する調査」の結果を発表した。同調査は不定期に実施しているもので、同日のメディア向け説明会で顧問の速水邦勝氏は「OTAの伸長などで旅行会社が苦戦するなか、オペレーターがどう生き延びていくか、そのために我々に何ができるのかを検討するため、調査を実施した」と説明した。今回の調査期間は3月16日から4月17日までで、会員会社140社のうち102社から回答を得た。
会員の経営状況に関する質問では、金融機関などから何らかの融資を受けている会社は全体の52%にあたる52社で、前回調査の47%から5ポイント減となっった。52社を対象に融資を受ける理由を複数回答で聞いたところ、最も多かったのは「デポジットなど費用立替のため」で39社。52社中に占める割合は13ポイント増の75%となった。続いて「旅行会社の支払いが遅いことによる、海外取引先の支払い費用のため」は26社に上り、50%を占めた。
速水氏は1位の「デポジットなど費用立替」については「ホテルなどのサプライヤーが年々、デポジットを要求するケースが増えている」と説明。デポジットの支払い状況について訪ねた質問では、「(旅行会社から)契約条件通りに支払われる」と回答した会員は102社中の50社で、割合は13ポイント増の47%に。速水氏は「海外サプライヤーの要求が高まっていることについて理解が深まっているのでは」と述べ、旅行会社の対応の変化を評価した。
一方で2位については、会員各社から日本の旅行会社の旅行代金の支払時期が遅い点、予約人数と実際の確定人数の差が大きく歩留まりが悪い点が課題として挙がった。改善をはかるべき内容について複数回答で聞いた質問では「(旅行会社による)デポジット支払いの履行」「取消料基準の明確化と履行」がそれぞれ59%と最も多かった。速水氏は「いずれも旅行会社のコンプライアンスの徹底が望まれる」とコメントし、会員各社には旅行会社に早いタイミングで支払いを求めるよう契約書に明記することなどをアドバイスをしている旨を説明した。
次ページ>>>取消料「支払われない」が36社、3分の1占める