旅工房・高山氏、上場は「継続的成長への正しい道」
4月18日に東証マザーズに上場した旅工房の代表取締役会長兼社長の高山泰仁氏は、このほど本誌の取材に応じ、上場の理由や今後の展望について語った。高山氏は「継続的な成長のためには、上場するのが正しい道」と語り、独立系の旅行会社にとっては上場が会社の信頼性を高めると主張。「旅行業は21世紀の基幹産業と言われているが、上場している旅行会社はあまりに少ない」と語り、業界の発展のために「旅行会社も積極的に上場すべき」との考えを示した。
上場による資金調達額は約6億6000万円を見込んでおり、オンライン販売システムおよび顧客管理システムの強化などに充てる予定。また、同社は自社サイトでパッケージツアーなどを販売するほか、担当方面に精通した「トラベル・コンシェルジュ」が電話やメールで利用者とコミュニケーションを取り、ツアーのカスタマイズをおこなう「ハイブリッド型」で事業を展開しているため、コンシェルジュの研修や新卒採用などについても強化するという。
高山氏はそのほか、担当者が仕入れから企画、販売までを担う「製販一体」の体制のさらなる強化を進めることなども説明。注力する方面については、現在は欧州や遠距離のビーチデスティネーションなどを強みとしていることについて述べた上で「韓国、台湾、香港など安・近・短へのツアーが弱いので、上場を機に強化していきたい」と意欲を示した。
同社によれば、2017年度3月期(16年4月1日~17年3月31日)の連結業績予想は、売上高が前年比1.5%増の220億1300万円、売上総利益が5.3%増の30億4000万円、営業利益が9.7%増の2億5300万円、経常利益が6.0%増の2億4000万円、純利益が15.7%増の1億5600万円。高山氏は上場に向けて予算管理をしっかりと実施したことなどが成長につながったとの見方を示すとともに、0.5ポイント増の13.8%を見込む売上総利益率については「まだまだ低く、20%まで伸ばせるはず」と語った。
なお、このほど破産開始決定を受けたてるみくらぶについては「旅行業界がお客様の信用を失ったことを遺憾に思う。我々が上場したことで再び安心感を取り戻し、信頼回復に努めたい」と話した。
※インタビューの詳細は後日掲載予定