現地レポート:ウィーン、世界遺産の旧市街を街歩き
OS撤退もFIT市場拡大へ
便利な公共交通や「体験」アピール
FITから団体まで対応、ウィーンならではの素材
ウィーンといえば、で思い出されるものの1つに「ワルツ」がある。実際に市内にはワルツのレッスン場が数多くあり、日本語でのレッスンを提供するところすらある。しかも団体だけでなく個人客に対応する施設も多く、こうした「体験」もFIT客それぞれのニーズに合わせて提案したい。
例えば今回は、「プライベート・ダンス・アカデミー Waltz in Vienna」で実際にレッスンを体験した。料金は1時間20ユーロからと手ごろで、1日に2回、13時と17時から開始される。個人の場合、基本的にはカップルでレッスンを受ける必要がある。靴や服は動きやすいものであればいいので、気軽にレッスンを受けることができる。
また、ウィーンならではの体験としてFAMツアー参加者から好評だったのがオペラ鑑賞。今回はウィーン・フォルクス・オーパーでモーツァルトが作曲したオペラ「フィガロの結婚」を観る機会を得たが、ウィーンでは国立歌劇場に次ぐ大きさの劇場で体感するオペラは、それまで興味を持っていなかったとしても舞台と観客席の近さやオーケストラの生演奏の迫力に圧倒される。ただし、人気のオペラなどチケット手配が課題にはなるため、現地オペレーターなどからの仕入に工夫を要する。
さらに、FAMツアーで訪れた自然史博物館の「夜景ツアー」というプログラムもユニーク。これは博物館の屋上テラスから夜景を楽しむもので、ワンドリンクも付く。重厚感ある歴史的建築物、しかも博物館の屋上でお酒を飲みながら夜景を眺めるのはまさに非日常の体験といえるだろう。
このほか、旅の楽しみといえば食事だが、今回はホテル・ザッハーで「ザッハートルテ」を口にする機会に恵まれた。ザッハートルテに添えられた甘くないホイップクリームと一緒に食するのはあまりにも有名だが、ウィーンに来たのであれば一度は味わっておきたい。
なお、2017年はマリー・アントワネットの母であるマリア・テレジアの生誕300周年。また、ウィンナーワルツ「美しく青きドナウ」の誕生から150周年という節目の年でもあり、こうしたトピックに着目した興味喚起にもチャンスがあるだろう。
取材:大宗憲知