HIS、16年度はテロや地震で減収減益-次期は最高益へ
エイチ・アイ・エス(HIS)の2016年10月期(15年11月1日~16年10月31日)の連結業績で、売上高(総額)は前年比2.6%減の5237億500万円、営業利益は28.5%減の142億7400万円、経常利益は61.9%減の86億4800万円、純利益は97.5%減の2億6700万円となった。営業利益は欧州のテロ事件や九州地震などが影響。経常利益は67億9800万円の為替差損が発生し、純利益は連結子会社のTEN BOSCH CRUISE PANAMA社のクルーズ船が運航を中止して特別損失を35億4100万円計上したため、大幅に減少した。同社は11月25日に通期業績予想の下方修正を発表していた。17年10月期については一昨年の水準を超える過去最高益をめざす。
旅行事業は売上高が2.2%減の4657億7200万円、営業利益が27.9%減の90億3800万円となった。海外旅行はテロ事件で大幅に減少した欧州の観光需要の回復に向け、フランス観光開発機構や航空会社などと「フランス応援キャンペーン」を実施。このほか、月刊誌「旅通信」を活用して、シニア層の取り込みをはかった。国内旅行は九州地震からの復興支援策として、東京、名古屋、大阪、福岡に九州旅行の専門店を出店。引き続き沖縄商品の強化も実施した。
訪日旅行はFITの取り込みを進めたほか、大型団体を受注したことなどで順調に推移。ただし、取扱人数は増加したが1人あたりの消費額は減少したという。海外事業は引き続き東南アジアを中心に認知度の向上に務め、各国の旅行博にも積極的に出展。エチオピアやウズベキスタンに店舗を開設し、海外拠点は230拠点に拡大した。
ハウステンボスグループは、九州地震の影響で売上高が2.2%減の318億6300万円、営業利益が18.3%減の74億8500万円となるなど苦戦(関連記事)。ホテル事業は「ウォーターマークホテル札幌」で訪日客を中心に団体が好調に推移したほか、「グアムリーフ&オリーブスパリゾート」で韓国や台湾からの宿泊客が増加したことなどから、売上高は2.8%増の66億900万円、営業利益は61.1%増の5億5600万円となり、ともに過去最高を記録した。
運輸事業はチャーター専門会社のアジア・アトランティック・エアラインズ(HB)が、旅行需要の高いバンコク/新千歳間でチャーター便を運航したほか、バンコクとプーケットから中国への定期便を週4便で開設。売上高は21.0%増の33億2500万円、営業損失は8億3400万円(前期:11億100万円)に改善した。九州産交グループは、九州地震の影響などで売上高は13.6%減の202億4800万円、営業利益は91.4%減の8900万円となった。
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