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週間ランキング、1位は業法違反、2週連続でコンプラ問題

[総評] 今週の1位は、読売旅行とタビックスジャパンが旅行業法違反のかどで観光庁から行政処分を課される見込みであることをお伝えした記事でした。違反の内容は、貸切バスを下限を割りこんだ運賃で利用したことで、読売旅行の山口と高岡、タビックスの郡山の各支店に14日間の営業停止処分が下りました。今年1月にスキーバス事故が発生して以降での処分は観光庁だけ、つまり第1種だけで5社となります。

 先週も農協観光が「下請代金支払遅延等防止法(下請法)」の違反で勧告を受けた記事が1位になったところでなんとも残念な状況が続きますが、感じることは変わりません。一言で述べるならば「ますます厳しくすべし」です。

 先週も書きましたが、法は法でありそれを守ることが社会の基盤であるうちは遵守しなければなりません。もし業法が旅行業の実態に合っていないのであれば、その時は改正に向けて動くのが筋でしょう。法を破らなければ業が成り立たないとすれば、業として破綻しているか法に誤りがあるかのどちらかです。

 もちろん、バレなければよし、問題にならなければよし、押し切れればよし、という姿勢で事業をすれば儲かるかもしれませんし、実際にはそういった企業が多いのも事実かもしれません。大炎上したDeNAのキュレーションサイトがまさにこの例でしょうけれども、累が及ぶ前にこそこそと記事を削除しているサイトも多いことでしょう。

 こういったルールをないがしろにする事業展開はIT企業に多く、例えばAirbnbも部屋を貸すホストには法に基づいた運用をきちんと求めているという姿勢ですが、ホスト募集のページではどれだけ収入が得られるか、登録が簡単か、リスクが少ないかといったアピールばかりで、ホスト候補が長文かつ字の小さな規約をわざわざ読みに行き、しかも丁寧に読み込まなければ現行法に対応した民泊サービスを提供しないであろうつくりになっています。

 何かあれば規約に書いてあることを守らなかったホスト(かゲスト)のせいで我々は免責です、というのは、DeNAがコンテンツについて指示を出しておきながら責任はライターや読者に押し付けようとしたのとまったく同じです。確かにAirbnbは法改正を求めて動いてもいますが、その実現までは法に従う、のではなくあえてグレーな状態を続けているのはいかがなものかと思います。

 もちろん、時代に合った法整備はたしかに必要でしょう。IT技術の進歩によって様々な自由度が高まる中で、ビジネスモデルも驚くほどの速度で新たに生まれ、変化していくわけで、それを硬直的な古いルールで統制するというのは無理があります。

 しかし、ルールを新たに作るにしても、それを厳格に運用しなければ新たな不公平が生じます。もしもそれが困難ならば、なくしてしまうのも一つの手かもしれません。その時はおそらく市場の構図があっという間に理不尽に激変してしまうでしょうけれども、その方がまだ現状よりは納得がいくように感じます。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年12月02日0時~12月09日16時)
第1位
読売とタビックスも下限割れ、行政処分へ-8日に聴聞(16/12/04)

第2位
JTB年末年始、海外旅行者数が3年ぶりに増加、国内は減(16/12/05)

第3位
ユナイテッド、17年春に日本/グアム3路線増便、計22往復(16/12/05)

第4位
グアム、17年はチャーターなどで座席確保へ、シニア強化も(16/12/07)

第5位
Booking.com、ビジネス需要の取込強化、国内宿泊も(16/12/04)

第6位
鳥取にもふっこう割、1億円で商品造成支援-観光庁(16/12/06)

第7位
スマホでの旅行予約は1.5ポイント増に、VRの影響も-JTB総研(16/12/08)

第8位
豪州、日本人100万人へ-中沢新局長、業界は「極めて重要」(16/12/08)

第9位
シンガポールMICE:職場旅行の模擬ルート・初日編【PR】(2016/12/6)

第10位
フォトニュース:フォーシーズンズ京都が開業、伝統工芸など活用(16/12/06)