業法検討会が中間まとめ、法案提出へ-3月以降に最終報告
観光庁は12月8日、観光関係の規制・制度の総合的な見直しについて検討するための「新たな時代の旅行業法制に関する検討会」の第2回会合を開催し、同検討会のワーキンググループ(WG)が11月25日に議論した中間とりまとめ案を特段の異論なく了承した。来年の通常国会に提出する改正法案に反映させる予定で、最終のとりまとめは3月末から4月上旬を目途におこなう予定。
観光庁長官の田村明比古氏は会合の最後に、わずか2ヶ月間で中間取りまとめを終えたことについて、委員に謝意を表明。「とりあえずは次期通常国会に向けて、着地型旅行商品の促進とランドオペレーターの規制について取りまとめることができた」と語った。今後については「法案の作成とあわせて、引き続きランドオペレーターの実態調査を進めたい」と述べたほか、OTAの増加などに起因する新たな問題などについて、検討を進める意欲を示した。
着地型旅行の推進については、地域と旅行業者が連携する取り組みを国が促進するほか、旅行業者がいない地域があることなどを踏まえて、第3種旅行業と地域限定旅行業、旅行業社代理業の登録要件を見直す。旅行業者代理業についてWGは、宿泊施設などが着地型旅行商品の販売拠点となるよう、着地型旅行商品に限り複数の旅行業者の商品を取り扱えるよう新たな区分を設ける案を示していたが、中間取りまとめでは「地域の旅行市場に与える影響や既存旅行業者との公正な競争条件の確保の方法などについてさらなる検討が必要」であることから、引き続き検討するとした。
ランドオペレーターについては、定義を「輸送・宿泊サービスの手配などを業務とする事業者」と明確化するほか、登録制を導入。禁止行為と違反者に対する罰則などもあわせて整備する。規制については、現時点では訪日旅行と国内旅行の手配のみを対象として、契約時の書面交付・保存と「何らかの資格者」の設置義務などを課す考え。前回のWGで「最低限の規制」としていた文言については、読み手に誤解のないよう「必要とされる項目にできる限り絞った規制」へと表現を変更した。
そのほか、国内の旅行業者と海外OTAとの平等な競争環境の実現など、旅行業の発展に向けたさらなる検討課題について、最終とりまとめ以降も継続して検討を進める考えを示した。今後は新たなWGの設置の有無なども含めて、議論の進め方を検討する。
なお、この日の会合ではランドオペレーターの実態を把握するために実施した第2回の調査の結果も発表。調査対象の864社のうち37.8%にあたる327社が調査に応じた。そのうち旅行業登録をしている事業者は34.0%で、未登録は14.1%、51.9%は未回答だった。観光庁は引き続き登録の有無などについて調査する方針だ。