9月の訪日外客数は19%増の192万人、累計は1798万人に
日本政府観光局(JNTO)によると、2016年9月の訪日外国人旅行者数(推計値)は前年比19.0%増の191万8000人となり、9月単月として過去最高を記録した。韓国の旧盆や中華圏の中秋節、マレーシアの学校休暇などに伴う連休や、航空路線の拡充などが増加の要因という。また、台風の影響によりキャンセルが続いたクルーズ船についても、中国を中心に70隻以上の寄港があり、増加の下支えになった。1月から9月までの累計は24.1%増の1797万7700人だった。
観光庁長官の田村明比古氏は19日の定例会見で、今年の年間訪日外国人旅行者数の着地見込みについては明言しなかったものの、「このまま行けば、11月の初旬には2000万人を突破するのでは」との見方を示した。先日のプミポン国王陛下の崩御により、観光への影響が危惧されるタイについては「今のところ、訪日・海外旅行ともに特に影響はないと聞いている」と説明。今後の動向を注視する考えを示した。
方面別では全方面が前年を上回り、訪問者数が最も多かったのは中国で、6.3%増の52万2300人だった。次いで、韓国が42.8%増の43万600人、台湾が14.7%増の34万7500人と続いた。前年からの伸び率は韓国が最も高く、九州地震の発生以降初めて前年から4割以上の伸びを示した。以下はインドネシアが38.5%増の1万7800人、フィリピンが31.3%増の2万800人、タイが30.0%増の4万4700人となった。
JNTOは10月については、韓国の祝日である開天節、中華圏の国慶節や重陽節、フィリピンの学校休暇などで旅行しやすい日並びとなること、東アジアから多数のクルーズ船の寄港が見込まれること、紅葉シーズンが訪れることなどに期待を示している。