ハワイ、主要市場と「価値」議論、過去最大の総会で
17年は「ご褒美」テーマの新プロモ実施
今後も議論深め魅力を発信へ
ハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)は9月26日から30日まで、ホノルルで世界のハワイ旅行関係者を対象とした年次総会「ハワイ・ツーリズム・カンファレンス」を開催した。今年は「Transforming Tourism Together(変化する観光業界への一体化戦略)」をテーマに、各市場における戦略の発表やディスカッションなどを実施。本誌取材に応じたHTA最高執行責任者のランディ・ボルディモア氏によると、昨年までは現地の旅行会社やサプライヤーを対象としていたが、「ハワイの『真の価値』についてよりグローバルに議論したかった」ことから、今年は規模を拡大して主要市場の旅行業界関係者を広く招致したという。本稿では日本市場向けの発表を中心に紹介する。
日本人参加者は5倍
「MCI」獲得や業界との連携強化を発表
ハワイ州観光局(HTJ)によると、今年のハワイ・ツーリズム・カンファレンスでは計79セッションのプレゼンテーションのほか、各島の観光局やサプライヤーなどの59ブースで商談がおこなわれ、全世界からの参加者数は1500名以上と過去最多となった。日本市場向けには日本人スピーカーを招いたパネルディスカッションや、各島でのFAMツアーなども催され、日本人参加者数は昨年の約20名から5倍となる約100名に増加したという。
日本市場の戦略については、HTJ局長のエリック高畑氏がプレゼンテーションを実施。日本の旅行業を取り巻く現状として、円高傾向にあることや多くの航空会社が燃油サーチャージを徴収していないこと、これらに起因して2016年1月から8月までの日本人訪問者数が前年比0.6%増で推移していることを紹介した。
また、今後について高畑氏は、ハワイアン航空(HA)が既存の羽田便に加えて今年12月、新たに羽田/ホノルル線を週4便、羽田/コナ線を週3便で運航することや、17年頃にはエアアジアX(D7)がクアラルンプール/関空/ホノルル線に就航すること、19年に全日空(NH)が東京/ホノルル線に座席数500席以上でファーストクラスを設けたエアバスA380型機を導入予定であることを紹介。「(日本/ハワイ間の)航空座席は量と質ともに上がっていく」と期待を示した。
2017年の方針としては、カップル、3世代家族、シニア、友人をテーマにした新プロモーションを開始。例えば、卒業や記念日などをきっかけに自身の「ご褒美」としてのハワイ旅行を訴求する。名称や内容などの詳細は17年1月に発表予定という。さらに、MICEのうちMeeting、Incentive、Conventionを意味する「MCI」の需要獲得も強化。今後はエンターテインメントや自動車、教育、医療、スポーツなどの業界をターゲットにプロモーションする計画だ。
このほか、旅行業界との連携もさらに強化する方針。パートナー企業の協力のもと昨年から実施している一般消費者向けイベント「Hawaii Expo」を今後も継続して開催するほか、今年4月におこなった日本市場向けの現地商談会「Hawaii Summit」を、来年は「ハワイ・ツーリズム・カンファレンス」と同時期に開催し、さらなる日本からの参加者数の増加をはかるという。