16年上期の旅行業倒産は3件減の13件、負債総額は28.7%増
東京商工リサーチ(TSR)によると、2016年上期(4月~9月)の旅行業の倒産件数は前年比3件減の13件で、3年連続で前年を下回った。負債総額は28.7%増の14億7200万円。東日本大震災関連の倒産は1件だった。TSRでは、旅行者が増加傾向にあることや、金融機関などが中小企業向けの融資に積極的に取り組んでいることなどが増加の要因と見ている。
上期は過去の業績不振に加え、同業他社との競業により販売不振に陥ったケースが多かった。大型倒産は、4月に破産開始決定を受けた東京都の第1種旅行業者の海外移住旅行社で、負債総額は約5億円と上期で最も多かった。また、6月には第3種旅行業者の東海トラベルが破産開始決定を受けており、負債総額は1億6000万円だった。
9月単月の旅行業の倒産件数は前年並みの3件で、負債総額は45.5%減の2億1000万円。倒産したのは岡山県笠岡市の井笠開発と沖縄県座間味村の二一・ざまみなど。負債総額は井笠開発が推定1億円、二一・ざまみが約9000億円だった。東日本大震災関連の倒産はなかった。
なお、上期の宿泊業の倒産件数は15件減の29件で、負債総額は35.8%減の112億9000万円。9月単月は倒産件数は4件減の6件で、負債総額は36.6%減の19億1200万円だった。旅行業の詳細は別途記載(下記関連記事)。