東京第3種のフロムツーリストが破産、訪日中国人の恩恵少なく

  • 2016年10月6日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、東京都の第3種旅行業者のフロムツーリストは9月30日、東京地裁から破産開始決定を受けた。負債額は調査中。

 同社は2003年7月に設立。社長の楚建国氏が有する中国とのパイプにより、国土交通省から「中国国民訪日団体観光旅行取扱旅行会社」に指定され、日本から中国への視察旅行や研修旅行、中国から日本への団体旅行の手配などをおこなっていた。ピーク時の07年3月期の売上高は約5億2000万円。

 しかしその後は、同業他社との競合により売上高が減少。12年3月期は東日本大震災の影響により2億4807万円にまで落ち込むとともに、約1000万円の損失を計上した。その後も日中関係の冷え込みから日本人旅行者が減少し、中国人旅行者の増加の恩恵も少なかったことから今回の措置となった。

 同社は日本旅行業協会(JATA)や全国旅行業協会(ANTA)には非加盟。なお、TSRによれば、旅行事業の一部は他の中国系企業が承継しているという。