ツーリズムEXPO、JNTOと共同開催へ、商談会など強化
今年で3回目となる「ツーリズムEXPOジャパン2016」の開幕に先立ち、主催者の日本観光振興協会(日観振)と日本旅行業協会(JATA)は9月22日午前に、都内で共同の主催者会見を開催した。実行委員長を務めるJATA会長の田川博己氏は、「4年後の東京オリンピック・パラリンピックに向けた重要なイベントであり、主催者として気を引き締めていきたい」と挨拶。そのほか、来年以降については主催者に日本政府観光局(JNTO)を加える計画について説明し、「真の三位一体のイベントをめざす」との考えを示した。現在はJNTOと協議を進めているという。
JNTOがツーリズムEXPOジャパンと同時開催している「VISIT JAPAN トラベル&MICEマート」については、「ツーリズムEXPOジャパンの商談会とあわせた流れを作っていきたい」と述べ、一本化して拡充をはかりたい考えを示した。将来的には「一緒になると考えてもらっていい」という。
JNTOとの共催などを見据え、現在は「JATA Tourism EXPO Japan」としているイベント名の英文表記については、来年以降は冠の「JATA」を外して「Tourism EXPO Japan」に改める見通し。海外におけるブランディング強化をはかることが目的で、田川氏は「アジアトップクラスのイベントとして、政府がめざす“観光先進国”の一翼を担うイベントに成長させたい」と目標を掲げた。
田川氏は、17年以降の展望については「ツーリズム産業の裾野の広さをどう見せていくか」が課題の1つになるとの見方を示し、他業界との連携を強化する考えを示唆。また、「海外の旅行博覧会ではBtoCよりもBtoBが重要視されている」ことから、商談会を強化する考えを示した。特に日本版DMOの強化に向けて、訪日旅行の商談を強化する方針を示し、「(海外・国内・訪日旅行の)三位一体のビジネスモデルを作り、地方に持っていきたい」と語った。同イベントは19年と20年については東京五輪などの開催で現在使用している東京ビッグサイトが利用できないことから、地方での開催を検討しているところ。
そのほか、今年の6月に日観振理事長に就任した前観光庁長官の久保成人氏は「観光立国から“観光大国”へと向かう第1ステージとすべく、一丸となって頑張りたい」と抱負を語り、今年はフォーラムやシンポジウムなどについて「さまざまな視点を整理し、これまで以上に質を高めた」と強調。国内旅行シンポジウム「ガストロノミーツーリズムで地域を元気に」などでの活発な議論に期待を示した。