「アニメ聖地」選定へ、角川やJTBなどが協会-訪日客を地方に
KADOKAWAやジェイティービー(JTB)、日本航空(JL)など約10の企業および団体は9月16日、一般社団法人アニメツーリズム協会を設立した。アニメやマンガの舞台、ゆかりの地を「アニメ聖地」として88ヶ所選定し、官民連携で広域周遊観光ルートを造成することで、国内旅行者と訪日外国人旅行者の地方送客を推進する。2020年の目標人数として、政府が掲げる訪日外国人旅行者数4000万人の10%にあたる400万人を設定した。
同日に開催した記者会見で、協会の理事長を務めるアニメ監督の富野由悠季氏は、「アニメで好奇心を抱いた若者に実際の景色を見せて、知らない風土や習俗を知ってもらうことは文化交流になる」と意義を強調。「アニメで21世紀の日本を広く海外に理解してもらい、相互協力の花を咲かせていただければ」と語った。
同協会は「アニメ聖地」の認定に向けて、7月から12月末まで特設サイトでアンケートを実施。日本語、英語、中国語繁体字・簡体字、タイ語、マレー語で、訪れてみたい作品の舞台や、ゆかりの記念館・博物館などを募集する。
投票後は認定に向け、投票された作品のコンテンツホルダーや、ゆかりの地の地方自治体などとともに、観光客の受入環境の整備などに取り組む。認定した88ヶ所の聖地は17年中にウェブサイトで公開し、メディアなども活用して認知度向上をめざす。
認定後は地方自治体や旅行会社、交通機関、宿泊施設などと協力して観光客の増加に努める。旅行会社には積極的な商品造成を働きかける考え。さらに「アニメ聖地」においてもサービスやオリジナル商品などの開発に取り組む。
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