観光庁、MICE誘致の新方針策定へ-2年半ぶりに会合

  • 2016年9月14日

会合の様子  観光庁はこのほど、2014年3月以来約2年半ぶりとなる第5回の「MICE国際競争力強化委員会」を開催した。17年中を目途に新たな誘致方針を取りまとめることが目的で、今後は16年度から17年度にかけて8回程度の会合を開催し、MICE誘致に向けた今後の課題を抽出する。検討にあたっては、政府が「明日の日本を支える観光ビジョン」で年内の新設を明記した、関係府省による連絡会議とも連携する。

 会議の冒頭で観光庁長官の田村明比古氏は「MICEの誘致はコンベンション(C)に話が偏りがちで、残りのM、I、Eについては十分に取り組めていない」と述べ、今後の取り組みについては「人数だけで考えるのではなく、(消費額など)質を高めていく必要がある」と強調。MICE目的の訪日旅行者は観光目的の旅行者よりも消費額が多く、開催による経済効果が大きいことを説明した上で「国を挙げて誘致体制を強化する必要がある」と語った。

 この日の会合ではMICE市場の動向や、誘致に向けた政府の取り組みを振り返るとともに、事務局が今後の検討内容などを提示。16年度中は会合をさらに2回開催し、同委員会が13年8月に取りまとめた誘致策「我が国のMICE国際競争力の強化に向けて」の取組状況を検証するとともに、今後の課題について議論する。

 さらに、MICE全体に共通する課題の抽出と平行して、ミーティング(M)やインセンティブ旅行(I)に焦点を当てた意見交換も実施。加えて、コンベンション開催による経済効果の算出に向けた取り組みも進める。17年3月を目途に中間とりまとめと、経済効果に関する報告書を発表する予定だ。

 17年度についてはMICEの各市場の規模の把握に務めるとともに、新たな目標値を設定する見通し。2年間の議論をもとに、年度末には新たなMICE誘致策を取りまとめる考えだ。