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仙台空港が民営化、国管理空港では初、東急など出資

7月1日には記念式典などを開催した。(左から)仙台国際空港取締役社長の岩井卓也氏と宮城県知事の村井嘉浩氏  仙台空港は7月1日、コンセッション方式により、国営空港では初めて完全民営化を果たした。運営主体の仙台国際空港は、東京急行電鉄など東急グループ5社と前田建設工業、豊田通商で構成する「東急前田豊通グループ」が設立した特別目的会社。契約期間は同日から2045年11月30日までの30年間で、そのほかにオプションとして最大30年間の延長が可能。不可抗力などによる延長を含めた場合は、最長で65年間にわたる契約が可能になる。

 施設運営などはすでに2月から開始しており、それ以外の滑走路の維持管理や着陸料の収受などを、7月1日から開始した。今後はLCCによる新規路線の拡充などに努め、東北地域の経済活性化をめざす。

 計画によれば、14年度には324万人だった年間旅客数を、20年度には14年比26.5%増の410万人に、44年度には69.7%増の550万人に引き上げる考え。内訳は、14年度は国内線が307万人、国際線が17万人だったところを、20年度には国内線362万人、国際線48万人、30年度には国内線435万人、国際線115万人を見込む。LCCについては、14年度の旅客数は全旅客数の16%だったが、30年度には比率を51%まで拡大する。

 航空会社向けには、旅客数が減少する時期の負担を減らすため、着陸料や施設使用料などの空港関連コストを軽減する料金体系を用意する。また新規就航時の関連コストの割引制度も設ける。施設面では総額341億8000万円を整備のために投資し、LCC向けの搭乗施設などを新設する。ターミナルビルについては、東北の物産品などを扱う商業店舗や飲食店などを増やす。

 このほか、官民連携で国内外の旅行者に向けた観光ルートの開発、旅行商品の造成促進などを実施。東急グループのアジア諸国における商業施設などを活かした広報活動もおこなう。