現地レポート:南ア・ダーバンから訪れる大自然
クワズールー・ナタール州の多様な魅力
サファリやハイキング、リゾート滞在など
ダーバンから北へ4時間のムクゼ動物獣保護区
サファリや文化的なアクティビティを楽しむ
ダーバンの市街地から北に向かい、郊外の別荘地エリアを越え、サトウキビ畑が広がるなかを車で3時間から4時間も進むと、南アフリカ共和国初の世界遺産であるイシマンガリソ湿地公園(旧名:グレーター・セントルシア湿原公園)をはじめ、変化に富んだ多様な生態系が見られるいくつもの自然保護区がある。
これらの自然を楽しむための拠点となるのが滞在型のリゾート施設だ。今回宿泊したのは、州北部のムクゼにあるゴーストマウンテンイン。かつてズールー族同士の争いの地となったゴーストマウンテンにも近い独立系のリゾートで、近隣の保護区のゲームドライブや湖のクルーズなどのアクティビティを用意している。そのほかにも、ズールー族の家庭訪問や、南アフリカの呪術師「サンゴマ」による骨占い、伝統料理の試食体験、学校や孤児院あるいはコミュニティプロジェクトの視察もアレンジできる。同リゾートのジェネラルマネージャーのラス・ウィルソン氏は「本物の体験をして欲しい」と語った。ここでは社会面や文化面に焦点を当てた一味異なるオプショナルツアーも組めそうだ。
今回は、午前中にヨジィニ湖の遊覧クルーズを体験。面積約150平方キロメートルという広い湖を進む2階建ての船からは、陸地にいるヌーやバッファローの群れ、湖畔のクロコダイル、ツバメガンなどの鳥類の姿が見られ、カバも湖面に姿を現した。午後には、420種の鳥類が生息することで知られるムクゼ動物保護区を訪問。1回のゲームドライブでキリンやゾウ、バッファローなどの大物を見ることができた。同リゾートのアクティビティには、サイの保護地でもあるシュルシュルウエ・ウンフォロージ自然保護区も選択肢に含まれており、より多くの種類の動物を観るには「両方を訪問するのがベスト」と同リゾートでアクティビティを案内するサファリマネージャーのジーン・タッチャー氏は話す。
同リゾートの海外からの客層は主に英国やドイツなどヨーロッパからだが、日本人の誘致に向け、日本でのワークショップにも参加する予定という。視察ツアーでは、参加者のために部屋に花を飾り、日本食を用意し、従業員が日本語で挨拶をしてくれるなど、細やかな心配りが感じられた。アクティビティのほか、スパも併設しており、南アフリカの多様な魅力を感じられる滞在型リゾートとして注目したい。