南ア、16年の回復に自信、中小事業者の成長に期待
日本の旅行会社は多様なコースの造成を
秋に全世界的キャンペーン
日本も回復傾向に
新ツアー造成で需要喚起へ
日本市場を見ると、15年に南アフリカを訪問した日本人の観光客数は26.5%減の2万202人となった一方、今年の1月、2月、3月はそれぞれ110.0%増、14.0%増、19.4%増と大幅に回復。南アフリカ観光局アジア太平洋地区プレジデントのブラッドリー・ブラウワー氏は、「(ワイルドフラワー観察で知られる)ナマクワランドへ行くツアーや、満開のジャカランダを見るツアーがすでに満席近くになっており、今年は14年の2万7054人を越えるのでは」との見込みを示した。ランドオペレーターによれば、すでにツアーの追加設定をしている旅行会社も出ている復調ぶりだという。
回復の要因として、ブラウワー氏は「近年、南アフリカを訪れた人が増え、『南アフリカは安全』という認識が広がってきたことが大きい。旅行における決定権を持つ女性に、デスティネーションの魅力が周知されてきた」と分析。南アフリカ観光局では17年から21年までの5年間に海外からの観光客を500万人増やす目標を掲げていることについて触れ、「南アフリカへの直行便就航に対する意欲や、市場の関心の高い日本は重要な位置を占めている」と日本市場の重要性を改めて強調した。
今年3月には、テレビ番組「朝だ!生です旅サラダ」でケープタウン、ダーバン、ドラケンスバーグ山脈周辺の国立公園などが紹介されたことについて、ブラウワー氏は放送後に旅行会社の説明会への参加者が増加したことを説明。「大きな手応えを感じた」とコメントした。しかし、消費者の関心やニーズはありながらも、ダーバンとドラケンスバーグを含むツアーの選択肢が少ないことが課題であるとし、「現状打破のためにも、日本の旅行会社は今こそ新しい旅程のツアーを造成すべき」と強調。今後の同局の活動については、「より戦略的なマーケティング活動をおこない、さらなるテレビ番組への露出や、旅行会社のパンフレット作成への費用面のサポートなども考えたい」と話した。
秋からは全世界的な新しいキャンペーンを予定。南アフリカ観光局最高マーケティング責任者(CMO)のマギー・ホワイトハウス氏は、「“Wow! Every moment”を共通のキャッチコピーとしてグローバルで展開するが、国ごとのニーズに合う、受け入れられやすいテーマを選びたい」と説明。詳細は検討中だが、例えば日本ではナマクワランドやジャカランダなどの花をテーマに考えているという。新しいキャンペーンでは、CNNやBBC、ナショナルジオグラフィックチャンネルなどでCMを放送するほか、日本ではインターネット上でリスティング広告を展開する予定だ。