香港、日本支局50周年で特別企画、「お得でアガる」アピール

  • 2016年5月29日

(右から)HKTB副理事長のベッキー・イップ氏、日本局長の堀和典氏 香港政府観光局(HKTB)は、東京事務所が7月1日に開設50周年を迎えることから、特別キャンペーンを展開する。5月27日に開催した記念レセプションでHKTB副理事長のベッキー・イップ氏は、「今年に入り日本人旅行者数と宿泊者数が増加しているが、今後も航空座席数も増えると聞いている」と復調している現状をアピール。その上で、「日本の旅行業界との協働の強化をしていき、香港が身近な旅行先であることを伝えていきたい」と意欲を語った。

 また、日本旅行業協会(JATA)会長の田川博己氏は挨拶で、「昨年は、SARSの年を除けば最低水準の数値」であったとしつつ、「ある意味日本のマーケットの変化に対応した新しいプロモーションが必要な時期に来ているのでないか」と分析。その上で、「次の新しい50年に向けて、旅行会社のみなさんは機会を逃さず新しいマーケットを作り、新しい香港を販売していくということを期待したい」と呼びかけた。

 香港への日本人訪問者数は、尖閣問題の発生してから苦戦が続いてきたが、昨年9月から回復に転じ、2015年通年では2.7%減の104万9000人、2016年も4月までの速報値で7.1%増と順調に推移しているところ。HKTB日本局長の堀和典氏によると、特に西日本で訪日需要の伸びに座席の投入が追いついていなかったが、LCCを中心とする路線網の拡充でギャップが解消されてきているという。

レセプション参加者との記念撮影 50周年のキャンペーンではさらなる需要増に向けて、昨年4月に開始した働く女性をターゲットとする「アガる香港」を継続しつつ、コストパフォーマンスの高さも訴えていく。

 これは、宿泊料金の高騰などで旅行費用が高額になる印象がついてしまっているのに対して、例えば「スターフェリーに乗れば、100万ドルの夜景をたった40円程度で楽しめる」ことや「ミシュランガイド初のストリートフード特集」といった「お得感」を打ち出す。宿泊料金も、中国本土からの需要が落ち着くにつれて稼働率とともに下がりつつあるという。

 具体的には、昨年は女性誌「FRaU」で特別付録を配布したほか、雑誌でも「アガる」をテーマに特集が組まれたが、今年は「an・an」の香港特集とのコラボレーションを実施する。また、香港好きのライターやミュージシャンを、広東語で「超香港ファン」を意味する「超級香港迷(スーパーホンコンマイ)」に認定し、そのお勧め情報を消費者に届けていく。

 このほか、50周年の特別企画として、今年2月に世界で初めて運行を開始したオープントップトラムでの観光ツアー「TramOramic」を無料提供する。詳細は8月下旬に発表する予定だ。