【九州地震】HTBも訪問者減、澤田氏は「九州復活キャンペ」提案

 ハウステンボス(HTB)代表取締役社長の澤田秀雄氏は4月21日に開催した記者会見で、14日夜から熊本などで発生している一連の地震の影響について「(九州の観光産業に)しばらく大きな影響が出ると考えている。短ければ1ヶ月、普通なら3ヶ月、長ければ6ヶ月は影響するのでは」との見通しを示した。

 ハウステンボスについては、地震による被害はなく通常通りの運営を続けているが、地震発生前は前年比約15%増で推移していた訪問者数が、発生後は20%減から30%減程度に落ち込んだことを説明。園内のホテルでは、15日から20日までの間に200件から300件ほどのキャンセルが発生しており、澤田氏は「(旅行者が)『九州全体が心配、怖い』と感じる心理的な問題がある。しばらくは間際の予約キャンセルが続くのでは」と今後の風評被害に懸念を示した。

 ハウステンボスによれば、同園の訪問者の半数以上は九州在住者であることから、風評被害の有無にかかわらず訪問者数が減少する状況にある。訪日外国人観光客については、全訪問者数の1割程度にとどまることから、キャンセル発生の影響はそれほど大きくないという。

 こうした状況を受けて澤田氏は、4月下旬からHTBとエイチ・アイ・エス(HIS)が共同で九州全域への旅行の促進をはかるキャンペーンを実施する計画を発表。HISが湾岸戦争や米国での同時多発テロ事件などによる、さまざまな苦境を経験してきたことを振り返った上で、「(今までの経験を活かして)復興のお手伝いになれば」と語った。まずは地震による被害がない地域への訪問を促し、夏から秋頃に被災地が安定し始めてからは「九州を皆で盛り上げていきたい」という。