南アフリカ新大使、日本人増に意欲、観光局と協力
このほど南アフリカ共和国駐日特命全権大使に就任したベリル・ローズ・シスル氏は、就任記念パーティーで業界誌などのインタビューに応え、日本人訪問者数の増加に意欲を示した。同氏は「観光は雇用創出につながる、経済的にも大変重要な産業」と強調し、2020年の外国人訪問者数の目標として1500万人を設定している旨を説明。日本市場については「日本と南アフリカ共和国の関係には長い歴史があり、トヨタや日産の工場もある。両国の観光産業における発展はそう難しいことではない」と期待を示した。
同氏によれば、同国には多くの日本企業が進出しており、13年は110社だったところ、15年は140社まで増加した。シスル氏は「同様に日本人観光客の数も増やしていきたい」と話し、フレンドリーな人々、美しい自然、ビーチ、ワイン、歴史遺産などをアピールしたい考えを示した。認知度の向上をはかり、観光局と協力して活動をおこなっていく方針だ。
同氏によれば、観光親善大使に任命した女優の高橋ひとみさんが先ごろ現地を訪問しており、4月27日の同国の祝日「自由の日」には、大使公邸で開催するレセプションに招待して、旅での体験を語ってもらうという。また、日本のメディアの視察旅行向けに、エミレーツ航空(EK)のビジネスクラスのチケットを提供できるよう同社と調整を進めており、具体的な内容については追って発表する予定だ。
シスル氏は、14年にアフリカ西部で流行したエボラ出血熱による風評被害については「日本はアフリカ全体を1つの国のように捉えがちだが、我が国はアフリカ大陸の最南端に位置しており、エボラ出血熱も発生していない」と強調。加えて、世界初の心臓移植手術が同国で成功したことについて言及した上で、「最新の設備を有する病院もあり、病気や疾病対策は十分におこなっている。心配しないで欲しい」と語った。