JATA合同インターンで学生に密着-今年は25社で研修実施
日本旅行業協会(JATA)は2月1日から11日まで、今年で3回目となる大学生向けのインターンシップを実施した。会員会社25社の協力のもと開催したもので、首都圏の大学から45名の学生が参加し、協力会社で実務研修などを体験。将来の旅行業を担う学生が体験した研修の様子を、東洋大学国際地域学部国際観光学科3年生の関沢勇登さんの動きを中心に紹介する。
旅行会社で「人に感動を」
問題意識をもってインターンに挑戦
関沢さんは現在、東洋大学で旅行産業論などを勉強しているところ。もともと旅行が好きだったことから観光学科に入学したが、「大学の先生が『観光には力がある』と仰っていた。人に感動を届けることができる旅行を、お客様に提供する旅行会社で働きたいと思った」ことで、旅行会社への就職を考えるようになったという。
過去にも旅行会社でのインターンシップは体験してきたが、その際には「観光業のなかでも、明確に『旅行会社に就職しよう』とは決めていなかった」とのこと。旅行会社に就職する意欲が高まってから迎えた今回のインターンシップについては「チャンス」と位置づけ、「(良い面だけでなく)旅行業界の問題点もしっかり意識してインターンシップに挑みたい」と意欲を示した。
初日は観光庁が旅行業について説明
JATAは「大きな展望を」
初日と2日目にはすべての学生が一同に介して「集合導入教育」をおこなった。初日はまず、観光庁観光産業課係長の小俣緑氏が「将来の観光産業を担う若者の皆さんへ」と題したプレゼンテーションを実施。小俣氏は「(今回のインターンでは)各会社の企業理念を念頭に置き、自分がやりたいことを実現できるかを確かめる一方で、『旅行会社でなければいけない理由』もちゃんと考えてほしい」とコメントしたほか、インターン生を受け入れる側の企業に対しても「若者の意見に対して『突飛なことを言っている』と笑うのではなく、新しい発想と思って彼らの言葉をしっかり受け止めてあげてほしい」と要望した。
続いて「旅行業の魅力と力」をテーマに講演をおこなったJATA事務局長の越智良典氏は、学生に向けて「今後の世界の需要をどう取り込むかが、皆さんの仕事」と説明。「旅行業界には無限の可能性がある。大きな展望をもって働いてほしい」と述べた。また、学生からの「今回のインターンシップで、旅行会社のどういったところを見ればいいか?」との質問に対しては、「期間が短いので、実務というよりは旅行会社社員とのコミュニケーションがメインになる。思っていることをざっくばらんに聞いてほしい」と答えた。